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閻魔大王に面と向かって

作者: GONJI

私が小学校の頃からうろうろしている旧環濠集落の平野郷ひらのごうと呼ばれていたところがあります

その平野郷からの由来で現在の住所は大阪市平野区となったいきさつがあります

そしてその平野の名前の由来をさらに辿れば、征夷大将軍坂上田村麻呂の子供の広野麻呂がこの杭全くまた荘を賜り、そこに住んだことからとのことです

坂上広野麻呂居宅跡の石碑と墓が今も残っています

豊臣秀吉が大阪城を作り、大阪の城下を整備するにあたり、平野郷の名家にも引っ越ししなさいとの指令が出て、仕方なしに出店と言う形で住居を構えた辺りが現在の大阪市中央区平野町という住所として残っています


私は堺の旧環濠集落の中で包丁鍛冶職人の息子として生まれて、引っ越しても小学校の校区は同じく旧環濠集落所縁の平野郷エリアということで、妙に環濠集落に縁があるのだなぁと感慨深いものがあります

どちらの環濠集落も町民の自治組織で運営されていたことを思うと、私が権力に媚びず我が道を行くのはそういう因縁からなのかな?なんてね・・・知らんけど(笑)


さて、そんな私も自分の人生を振り返って100%胸を張って正々堂々と生き様を語れるか?というとそんなこともありません

都合の悪い時に嘘もついたことはありますしね

ただ、その嘘が原因でお縄になるようなことはないだけです

後ろめたいこともあったでしょうし、想い出したらえらいことやった!

なんて出てくるかもしれないのが恐怖です(冥途へ行ったら過去の生き様をすべて映し出す鏡とやらがあるらしい・・・怖)


さて、話を戻しまして、平野郷の中のかつてのメインの商店街だった平野本町通り商店街と言う商店街が平野郷の真ん中を東西に貫いています

いまはここも例外なくシャッター街になってしまっていますが、かつては賑わっていて楽しい商店街だったのです

その商店街の中央ぐらいに全興寺せんこうじというお寺があり、商店街から入ると水かけ不動明王さんが正面でお迎えくださいます

昔はそんな落ち着いたお寺だったのですが・・・

今や、小さな駄菓子屋さん博物館、ほとけのくに(地下に降りて行ってお参りしたら四国八十八か所巡礼参りしたのと同じ功徳がある)などの施設が増え、中でも地獄堂と言うところに閻魔大王がおられて、ボタンを押すと恐ろしい閻魔大王の戒めとも言える言葉が流れてくるのです

これが結構大人でも怖いのですよ


しかし、その前に閻魔大王に面と向かうと、何というのでしょうね、どんなことも見透かされているように感じてそれだけで恐怖なのです

前にも書かせていただいたとおり嘘もついたことがありますからね・・・

いやあ・・・すんません・・・ごめんなさい・・・と恐怖心からそういう念が出てしまうのです

あの目で睨みつけられたらねぇ・・・懺悔改心ですわ


閻魔大王は存在だけでものすごいパワーをお持ちです


京都にも六道珍皇寺ろくどうちんおうじと言うお寺がありまして、ここは地獄へ通じる井戸があり、その昔、小野篁おののたかむらが閻魔大王の補佐として毎夜閻魔庁の閻魔大王に逢いにこの井戸を通り抜けて通っていたという伝説があります

このお寺にもそれはそれは恐ろしいギロリとした目の閻魔大王と小野篁さんがおられます


人間がいつかは必ず行く冥途で、最初に裁きを受けなければならない閻魔大王ですから、生きている間からご挨拶は欠かさない方がいいのかもしれませんね

お逢いするたびに、背筋がピンと伸びて、正々堂々と生きていかねば!と気合が入りますしね


平野の閻魔大王も、京都の閻魔大王もいつもこの世に睨みを効かせていただいております

何でも見透かされている人間はそれに気づいて気合を入れてええ世の中にしないとねと思うのです



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― 新着の感想 ―
[良い点] 閻魔大王は、自分の心の中に住んでいます。 だって誰にも言わない、言えない嘘は自分しかわからないから。 心に住む閻魔サマ。あの嘘に何も言わないのがまた怖い。 [一言] 私は、嘘偽りなく生…
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