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『〜発達障害(の医者)、異世界にて無双〜』を作ろう

とりあえず異世界でありがちな追放物のテンプレ会話をpixiv百科事典を見ながら作ってみましたが、違和感があります。

でもここで一旦投稿しないと飽きて企画倒れになりそうです。未完成ですが投稿しちゃいます。

↓参考にしたurl

https://dic.pixiv.net/a/%E8%BF%BD%E6%94%BE%E3%82%82%E3%81%AE


――――――


拝啓

故郷のお父さんお母さん。


私が異世界に召喚されてから、お二人はいかがおすごしでしょうか。私は元気です。

召喚されたガルナディア王国はこの世界の中では珍しく地球人の人権を認めてくれているので、不便はありますが命の危機は感じていません。国によっては地球人が奴隷扱いだとか…。召喚された国がここだったのは不幸中の幸いだと思っています。

医師としての研鑽も忘れていません。こちらの病院に勤めて数年が経ちました。

相変わらず自分はドジですが、周囲の人たちのおかげで今のところなんとかやっています。

最近かわいい後輩もできました。どんな医師になるのか楽しみです。


…地球に帰る方法は見つかりそうにありません。

だからきっと、この手紙が届くことはないのでしょう。


でも二人が幸せでいることを祈っています。

ずっと、ずっと、祈っています。


―――――


「やばっ!ギリギリじゃん!」

そう叫びながら私は乗合馬車を目指して走った。

私はアクスウェルドの病院に勤める医師、本田司である。

私が停留所に着いたのは、最後の乗客のスカートの裾が馬車に消えた直後だった。

「待って、待って!乗ります!」

赤い幌の乗合馬車ははすでにいつも通りの客がそろっていた。

ただし、先程乗り込んだ女性は普段は見ない人だ。ゼェゼェと息を吐く私をみて青い目を見開いている。

私は一番手前の座席に座って息を整えた。

向かいの席に座った茶髪の男性が読みかけの新聞から目線を上げて笑いかけてきた。

「おう!寝坊したかと思ったぜ先生!」

「ここ2年くらいは寝坊してませんって」

私がそう返すと、私の直前に乗り込んだ女性が思わずという感じでつぶやいた。

「いやこの時間は寝坊では?」

「うっ、それはまあそうですね…」

乗合馬車の中で何人かが苦笑した。

乗合馬車は時間が前後しやすいので、早くから停留所に行っておくのが常識である。今日私が停留所に着いたのは予定時刻の5分前だ。普段は10分前にはいるので、そう言われると返す言葉もない。

「出発しますよぉ」

御者のおじさんが乗客全員が座っていることを振り返って確かめると、馬車は走り出した。


馬車の中で、ボサボサの黒髪は後ろでまとめて誤魔化す。

よかった、今日も間に合いそうだ。


ここ、ガルナディア王国の首都アクスウェルドは世界で最も多くの地球人が暮らす都市として有名だ。


異なる世界からの客人に出来るだけ不自由をさせないようにと、2代前の国王"建築王ランツェル"が地球に似せて作ったアクスウェルドの"客人街"。

建設当時はアクスヴァルドの中心部にあったのだが、地球人の人数が増えるにつれスペースが足りなくなり、結局、先代国王"開道王ハーロルト"の治世でアクスウェルドの北端に移動した。

現在、中心部の"旧客人街"は地球人たちがそれぞれの技術を活かして働くビジネス街となっている。

『いいか?家を建てるなら程々に不便なところにしておけ。便利なところだと急病人が運び込まれやすい、うちの病院はただでさえ当直が多いんだ、家に帰っても仕事があるんじゃ倒れちまうぞ』

そんな先輩医師の助言に従い、司の家はアクスウェルドの北"客人街"の、―――さらに北のすみっこの物件を選んだ。街の中心部にある病院まで行くにはやや不便な立地だが、乗り合い馬車を使えば50分ほどで到着する。


病院前の駅で司は馬車から降りた。

朝の始業は7時30分だが、この時すでに7時20分である。


「よし!今日は間に合いそうだな」

医師が走って病院に駆け込む姿を見ると、大抵の人間は何ごとかと思うだろう。しかし、この病院の近所の人たちにとっていつもギリギリに出勤する彼女は日常風景に過ぎない。

職員玄関の前の管理人の斎藤さんが声をかけてくれる。

「先生、おはよう。いつも通りだねー」

「あ、はい、おはようございます」

職員玄関で靴を履きかえた、私は早足で更衣室に向かった。

「失礼します」

更衣室は女性職員全員が使う。

(見て、本田先生ったらまたギリギリよ)

(本当ね。なんで近くに住まないのかしら)

急いで服を着替え、白衣を羽織り、聴診器を左手に持ち、更衣室を出る。

白衣の前のボタンは歩きながらとめた。

この時点で残り7時28分である。

「おはよう御座います!」

7時29分、始業の鐘の直前に朝礼に駆け込んだ。

もっと早くに来ればいいのに…。

病院スタッフ一同、毎朝こう思うのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

――――――――――――――――――――――――――――

朝のミーティングにて

鈴木「本田。お前はクビだ」

本田「はい?どういうことですか?」

鈴木「この病院の予算が削られることになったからな。人員整理だよ」

田中「本田先生みたいな足手まといはこの病院にはいらないってことですよ!」

本田「なんで私が!」

鈴木「お前は俺たちより無知だし、とろいし、挙動不審だし、手術でも役立たずだ。ミスも多い。そんな足手まといは俺たちの病院に必要無い」

本田「でもただでさえ人手不足なのに、私の受け持ちの患者さんはどうなるんですか?」

田中「お前の患者のほとんどは老人だろう。診察室で長話しやがって、お前のせいで外来が回らないんだよ。」

本田「高齢者の方はいろんなところに不調が出やすいので診察に時間がかかるんです。」

鈴木「はぁ。あのな、高齢者なんてほっといたらすぐ死ぬんだ。適当に誤魔化して帰らせればいいだろうに。そんなこと言ってるから仕事が遅いんだよ」

本田「でもそれは医療倫理的観点から…」

田中「本田先生、病院はボランティアじゃないんですよ?先日鈴木先生がお休みのとき、風邪の患者さんに抗菌薬を処方しませんでしたよね?」

本田「それがどうかしましたか。あれは明らかにウイルス性の感冒でした。若くて体力もありましたし、そもそも抗菌薬の濫用は耐性菌の発生を…」

鈴木「黙れ、俺前に言ったよな?風邪できた患者が抗菌薬を希望したら出してやれって。抗菌薬を処方したほうが患者は満足するんだよ。あの患者だがな、あの後二、三ヶ月たっても体調が良くならなくて、うちの病院のせいだと言いふらしてるんだよ。今度は訴訟も起こすらしい。今回予算が削られたのもそのせいだからな。」


本田「今までやっていけたのも奇跡だったんだ…でもこれからどうしようか……」

読んでいただき、ありがとうございました。

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