物資補給所事件その3
「できないわけないのにゃ! このコラット様の手にかかれば、どんな難解な事件も解決なのにゃ!」
「コラット、煽りに乗ったらだめだって。先輩もあんまりいじめないでください、僕の幼馴染を」
「ごめん、ごめん、だってさ、この事件、解決しないと思うんだよねぇ。当初、犯人はすぐ捕まるだろうっていう見解だったのに、どんどん難解になっていくし。俺も疲れてるんだよね。現場、前の担当者のせいで、荒れて証拠も出てこないし。現場検証の前にズカズカ現場に入り込んでさぁ」
マジで目が怖い。軍が警察の役目も担っている。パスティは、中間管理職なので、大変そうだ。
「証拠が荒らされて出てこなくても、もう少し詳しく事件の背景を教えてほしいにゃ」
「じゃ、現場に向かおうか。事務所だったんだけど、さすがに人が3人も死んだからね。今は閉鎖して別のところを事務所として使ってるよ」
「今もすぐ現場に入れるにゃ?」
「特別に許可をとってあげるよ」
「特別なのは、『コラット』ですよね? 許可なんて必要ないでしょ、先輩?」
「ボルドくんは怖いなぁ〜。確かに『コラット』は治外法権だけどさ、ボルドくんは違うでしょ?」
「ゔっ……」
「まぁ、エリートの雪豹一族のボルドくんなら、許可が降りないわけないと思うけどねぇ〜許可を取るのは手間だなぁ〜」
「おっお願いします」
「パスティさん、コラット様の幼馴染を虐めないでほしいにゃ。ボンドは助手だにゃ、現場に入れないと困るにゃ!」
「分かってますよ、コラット。許可を取ってくるので待っていてください」
パスティは、この場を離れていった。
「え? コラット僕のことボンドって言った?」
「接着剤だにゃ、ボンドは。そんなことは言ってないにゃ」
「聞き間違え?」
「そうだにゃ〜ボンドはドジだにゃ〜」
「え? またボンドって言ったよね? 僕がそのネタでいじめられてたの知ってたよね?」
「リアルに間違えたんだけど、面白いからイジるにゃ! ボルドという名前は天才にゃ!」
「名前が天才とかあるの?」
「逆にないのかにゃ?」
「あるわけないよね」
「細かいことは気にするな! だにゃー」
「細かくないし、かなりでっかいし」
「ボルドはああ言えばこう言うし、だにゃ〜生きてて疲れないのかにゃ〜?」
「慣れてますから〜」
「ボルド、目が怖いにゃ」
パスティがひょっこり顔を出した。
「戯れてるのは微笑ましいけど、準備ができたから、現場に行くよ」
次回、現場へ。真相は明らかになるのか……