第4話 助手になったボルド
「君の婚約者は、実はここにいるにゃ」
「アレン!」
「サラ!」
抱き合う二人がいた。
「どうやって……?」
「ボルドくん、君は本当に婚約者が死んだとでも思ったのかにゃ?」
「思いましたよ」
「うんうん、そうであろう、私の名演技のせいでもあるにゃ。研究所内を探した以上、大ごとになり周りに解決したと示さなければならなくなったにゃ。それに、公に家畜である羊を連れ出すことなどできないにゃ。厳罰の対象だにゃ」
「だから、コラットは婚約者を隠したまま、公には死んだことにした、と」
得意げな顔をしていた。
「ただ、思ったよりもこの先は厳しい現状がまってるにゃ。あとは、二人のがんばり次第なのにゃ」
「ありがとうございます、コラット。あなたは、名探偵です!」
依頼人である羊のサラは、泣きながら微笑んだ。
「これで、依頼人の婚約者を探すという依頼達成にゃ」
「名探偵かもしれないです……」
ボルドが感心したように言った。
「ボルドは助手にゃ! これからも私を助けるにゃ☆」
「助けたくないんですが、結局、あなたを放っておくことはできないと思うので、あなたが名探偵なら、僕は助手になってしまうのでしょうね……」
「光栄なことにゃ!」
「その明言は控えさせてもらいます」
「なんでにゃー誇っていいにゃ☆」
「なんかヤダ」
「子供みたいなこと言ってるにゃ〜」
久しぶりの依頼、達成!