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エピローグ

今が昔。人類は、危機に瀕していた。地球が氷河期に突入したからだ。




なぜ、突入したかは、今となってはわからない。だが、未来の話をすることになる私たちから見れば、徐々にその兆候はみられたのではないだろうか。




北極の氷は解けはじめている。オゾン層が薄くなっているのが原因だったか。




それにきっかけがあっただろうか?少なくとも、今生きている私たちにその兆候があったようには感じなかったはずだ。




いや、過去の話ではなく、これからするのは未来の話であった。




私たちが氷河期に突入した地球でどう生き残ったのか、ということを。




話は簡単だ。人間だけでは寒さに耐性がない。




ならばどうする?




そう、人類は進化したのだ。長い時間をかけて、別の種と交わることで。




寒さに強い動物と交わることで、人間は生き残ろうとしたのだった。




しかし、たくさんの人は、生き残ることができなかった。




人類としての人間の数はとても減った。これは、その厳しい環境を生き残った者たちの話だ。






まずは、犬科。彼らは縄張り意識も仲間意識も強い。未来での地球での一大勢力だ。


特に狼の血を引いている者たちは強かった。規律正しい軍を持ち、とても大きな勢力となった。




これから、この物語の主人公にもなるネコ科。彼らは、あまり統率がとれておらず、好き勝手に生きる者が多かったが、搾取されることは良しとしなかった。


軍を持ち、個々の力は強い。夜闇に紛れれば彼らを察知することは容易ではない。奇襲戦など情報戦を得意としていた。




犬科と猫科は多種多様な種族が生き残っている。人間と近くにいたからだろう。




シロクマの一族。彼らは数は少ないが最強の戦闘集団だ。たった一匹で、犬や猫を数百匹と倒す。怒らせると怖いが、基本的には心優しい一族だった。




ペンギンは独自の進化を遂げた。彼らの専門は電子ネットワークだ。ハードとソフトを使いこなし、また、自身の頭の中にチップを埋め込み電子情報を操る者までいるという話だ。人類が使っていたネットワークを活かし使用している。彼らはその能力で決して弱者ではなくなった。




フクロウは空の覇者だった。影で権力を持つ空からの暗殺者だ。羽があり、空を飛ぶことができる。隠れ里を持ち、忍のような生活を送っていた。




羊は、狼に飼われることで生きている。食料として確保されながら餌として管理されている。特異な能力がなければ、食べられる運命にある。羊といっても人と融合しているため、共食いになると倫理観の問題が他部族から指摘されているが、狼たちは、決して彼らを飼うことをやめなかった。弱者を救済している、と言われればそうなのかもしれない。この極寒の世界で生き残るためには、強くなければ生きてはいけない。弱肉強食だ。ある意味共生なのかもしれない。




彼らは、勢力を保ちながら、拮抗しながら生きていた。




もちろん、ここにない少数の部族もいることだろう。だが、人類は滅びたといってもいい。彼らは、根本は人間かもしれないが、今は生き残るために必死に生きる動物だ。




独自のネットワークを持っているペンギン以外、この世界に他の地域と連絡をとれるようなネットワークを持っている者はいない。




他者を気にして生きている余裕など、現在の彼らにはない。今を生きているだけで精一杯なのだ。




そんな、厳しい環境の中で、勢力が拮抗しながら小さな抗争を繰り返している世界で、部族の壁を破る運命を背負い生まれた猫の女の子の話だった。




氷河期という厳しい環境の彼らに一つだけ幸運があった。それは、特殊な能力を持って生まれてくることだった。過去を見たり、未来をみたり、遠くのものを見たり、さまざまな能力を持って生まれてきた。彼らは生きるためにそれを行使した。




この世界は、寒く厳しい。人類がどんなに進化し、努力しても一人では凍えて死んでしまう世界だ。また、土地をめぐった勢力争いで抗争が数多く起きていて、それが収まることを知らない世界でもあった。氷河期、地球上に住める土地は限られている。




しかし、たった一つだけ、どんな種族の者であろうと迎え入れる場所があった。




それが、キャッツカフェだ。




お茶を飲んだり、別の目的のために来ることもある。




辺境の地にある、伝説のように語られている場所だった。




キャッツカフェ店長の名前がコラット。この物語の主人公の名前だ。

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