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我慢の女神は惰眠を貪りたい。  作者: 櫻塚森
第一章 女神墜ち
18/91

はち の に

9/26加筆訂正。

ラーゼフォン公爵家と言う両親の地位は、後ろ楯が欲しい貴族にとっては魅力のあるものだった。

ヒースクリフを初めとする兄弟達は、いずれはラーゼフォン公爵家の持つ爵位を継ぐ。爵位に甘えているだけの存在ではダメだと厳しく育てられてはいるが、同じ年頃の娘を持つ貴族からしたら、優良物件であることは確かだった。幼い頃から婚約者を立てる予定は公爵にはなかったが、エドウィンは、幼馴染みの令嬢との婚約を外堀埋めてさっさと決めていた。

周囲の特に同じ年頃の娘を持つ貴族の親は落胆したものだったが、将来公爵の持つ爵位を受け継ぐことがきまっているルーファスやヒースクリフにはまだ相手はいないため2人は色々大変な立場であった。そろそろ決めなければならないのは分かっているがめんどくさいと2人は思っている。

そんなラーゼフォン公爵家の中で唯一の女児であるブランジェにも、誕生の知らせが知れ渡るや否や数々の縁談が舞い込んだ。もちろん娘LOVEなパパはまだ早いと突っぱねていた。

フィンネルは、もう一つある爵位をブランジェに譲り、公爵領の一角を管理させ婿をとらせばいいとさえ考えていたのだが、ブランジェの誕生より6年後にラドクリフが生まれたため頭を悩ませることになってしまった。


眠気と戦いながらマナーや一般常識を身に付けてきたブランジェが、自国の王子と結婚するのだと知ったのは眠気の秘密を知った翌月のことだった。

城から王妃教育の案内状が届いたからだ。両親、家族は、もう少しブランジェの“眠り”が落ち着き、せめて法律で定められた7歳頃から王妃教育を始めたらよいと思っていた。また、王家にも婚約のことは両親がタイミングをみて話をすると言うことで了承を得ていたはずだった。

案内状を見たビエラ夫人は思わず握りつぶそうと思ってしまったが、添えられた正妃と第二王妃連名の手紙もあり思い止まった。2人は案外仲がよい。王妃教育は一定の貴族令嬢教育が終えて早くても7歳を過ぎてからとされている。それを無視して第三王妃が陛下に頼み込みブランジェの王妃教育を早めるようにしてはどうかと提案してきた。第三王妃の斜め上を行くおねだりを聞き入れるつもりはないので返事は保留でとも書かれていた。ビエラはため息を吐く。そして、デイビス王子の婚約者としてブランジェが決定した経緯を思い出すと腹が立ってきた。

ビエラは早速夫と兄に魔法便を出す。ブランジェは、母から漏れる怒りのオーラにドキドキはしていたが、何も考えていなかった。ただ両親や兄、家庭教師の言う通りにしていればいいのだと考えていた。


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