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第9話 出会った2人②

涼平・玲菜サイド


しかし、彼女は気づいてくれそうにない。

というよりも、声は聞こえてはいるけどどこから聞こえているのか分からない。

そんな表情を浮かべているような雰囲気だった。


「「お~い!!」」

もう一度叫んだ。それもさっきよりも大きな声で。


だけど、やはり彼女はこちらに気付いてくれそうにない。

でも確かに彼女の耳に俺の声は届いている。

彼女の行動を見れば一目瞭然だ。


俺はさっきよりも大きな声で叫ぶために、息を思いっきり吸い込んだ。

こんなにも大量の空気を吸い込んだのはいつぶりだろう。

そう思ってしまうほどに息を吸い込んだ。


そして・・・。


「「「し~た~だ~!!」」」」

俺はこれでもかと自分でも思うほどに腹の底から声を出した。

更に分かってもらえるように手を上で振ってみる。


すると彼女の方にもその声がきっちりと届いたのだろう。

こちらに視線を落とす。


しかし、その時の動きの大きさから困惑と驚きを胸に抱えている予感がする。


それにしても、空の上に人がいるというこの状況については不思議でしかない。

どうして彼女は空の上にいるのだろうか。

空の上から落ちることはないのだろうか。

そもそも彼女は一体何なのだろうか。


好奇心にも似た興味が次から次へと俺の中で湧き上がってくる。

こんな感覚久しぶりだった。


俺はまだ輪郭しかはっきりとは見えない彼女の存在に酷く興味を惹かれた。


彼女の方はまだ俺の存在に驚いているのか、視線を左右に泳がせている。

しかし、数刻の間、彼女は考える素振りを取ったかと思うと、

覚悟を決めたかのように俺のことを見据え始めた。


(いったい、どうしたんだ?)


俺はもう一度叫ぼうかとも思い、息を吸い込んだ。

しかし、その叫びが表出するその前に、彼女は飛んだ。


空の上から彼女は飛び立った。

雲を蹴り、彼女は重力に従うように飛ぶ。いや正確に言えば“落ちてきた”。


ドスン

草原にすごい爆音が一瞬だけ鳴り響いた、


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