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第6話:進んできた道

俺は空を見上げ、これまでのことを思い出していた。

「はぁ。今までいい事も悪いこともしてこなかったなぁ。

だからこんな場所に囚われているのかもなぁ。

こんな地獄のような世界に来る羽目になるのなら、

少しでもいいことをするべきだったかもなあ」


俺はこれまでの人生を退屈なものだと思いながら過ごしてきた。

いや、もっと正確な表現でいうならば、最初は何でも退屈しなかった。

だけど最初は楽しいものでも続ければ、慣れていき、次第に飽きていくものだ。


それが俺は他の人よりも顕著だった。

勉強もゲームも、人間関係も、恋愛にしても人並みにはこなしてきた。

だけど勉強は学べば学ぶほど、人と自分の差異が大きくなり、

優劣感を抱くだけだと分かってからは面白くなくなったし、

ゲームもある程度遊んでいれば規則性が見えてくる。

そうなれば、もう勝利することしかできなくなる。


人間関係だってそうだ。初対面の人の行動や感情を探ることは楽しい。

だけどそれもまた長い期間いればいるほど、各々の規則性が見えてくるというもの。

そうなってしまえば、ゲームと同じで、

相手が望む言動を重ね、相手が望む感情を見せる。

たったそれだけのことで人の行動や感情を把握することはできる。


こと、恋愛はそれを色濃く反映することが出来る。

女性が望む言動や行動をすれば、彼女は勝手に俺のことを好きになり、

キスをするようになり、その先まで行くようになる。

本来であれば、このまま進んでいくものなのだろうけど、

俺にはそれがひどく面白くなかった。

だから、俺はこの人生に飽きていた。


最初こそ、この違和感しかない世界も考えることは楽しかった。

だけど変わり映えのしない景色を見ていく内に、いつもどおり飽きた。

今はこうして、空を眺めているところだった。


だが、この時の空は一瞬の事ではあったが、何かが違った。

(空に・・・なにかがいる?あれはひ、人なのか?)


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