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雨のち晴れ  作者: 栞那りあ
0歳~12歳
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小学校 通学距離と片桐くん

 市立小学校に入学してからも大変だった。

 田舎なので、片道およそ3kmの距離を毎朝徒歩で通うことになる。

 夏の暑い日は特にしんどかった。道端に生えてたフキのような草の汁を吸って喉を潤していた。

 現在は長くても1.5kmの距離で、熱中症防止として水筒を手に通う子供達をよく見かける。

 しかし私のいたのは田舎だった。

 そして毎日頑張って往復歩いても体力が付いた訳ではなかった。


 話が前後してしまうが、私より更に遠い所に住んでいる片桐玲司くんという子がいた。

 玲司くんの住む地域は小学校から4.5kmほど山を登ったところにあって、小学生2~3人が通う小さい集落だけど、市がタクシー代を負担して彼らは毎朝タクシーで来ていた。

 それが物凄く羨ましかった。


 玲司くんとは、私の記憶が正しければ5年生で初めて同じクラスになったのだけれど、

 気が付けば6年生になった時よくケンカばかりしていた。

 ケンカの理由なんて特に覚えてない。タクシーのこととも全く……いやあまり関係無かったはず。

 くじ引きで続けて2回も席が隣同士になった時は、お互い大騒ぎしてた。(田舎と言っても当時は1クラス35人)

 同じ班になって机をくっ付けて給食を食べている時など、牛乳を上下に激しくシェイクされることが多かった。

 私はただでも牛乳が苦手で、そんなまずくなった牛乳でもお残し禁止ルール(苦手な納豆を全て食べきるように言われ、昼休みが終わって掃除の時間まで食べていて、もうすぐ5時間目という時にようやく完食出来たが、それ以降は納豆がより嫌いになってしまった……そんな方針)で最後まで飲まなきゃいけないのが凄く辛かった。

 もしかしたら気になる女の子に意地悪したくなるという奴だったのかもしれないけれど、本人に直接訊いた訳でもないし、

 当時の私はガチで嫌がってよく泣いていたので、これを2度目のいじめだったとさせて頂くことにする。


 家が遠かったせいか、普段早めに家を出て学校に着いていた私は、タクシーで早めに着く玲司くんと朝2人で教室にいることがしばしばだった。

 特に会話は無かったと思う。今思えば非常に気まずい空間。

 中学にあがる頃にはお互いほとんど話をしなくなった。

 中学と言えば、異性への呼び名は大体苗字。小学校では玲司と呼び捨てだったのも、片桐くんと扱っていた。本人と直接話した記憶はないのだけれども。

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