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雨のち晴れ  作者: 栞那りあ
0歳~12歳
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妹の出生

妹の出生

 1987年、母が32歳の時に妹の岡部枝美理(えみり)が生まれる。

 母・美智華の美の字と、私の理の字から付けたのだろうか。

 母と妹は漢字3文字なのに、なぜ私だけ2文字の理奈なんだ……と中学当時は軽いコンプレックスだった。

 同じクラスにも3文字の女の子は多かった。

 何故か伊田里菜いだりなちゃん、大川梨奈ちゃんと、同じクラスに『りな』が3人もいる年があって、それぞれ苗字で呼ばれる羽目になってしまった。

 岡部という苗字が嫌いだったのに、同級生から岡部さんと苗字にさん付け。非常に距離を感じる。

 私が将来娘を産んだら、ありきたりな2文字の名前は付けたくないと思っていた。3文字の名前に猛烈な憧れを抱いた。


 この時の妹の出産が、結構な一大事だったらしい。

 帝王切開歴があるので妹でも帝王切開だったのだが、

 異常な高血圧、今で言う妊娠高血圧症候群で大量出血が止まらなく、輸血やフィブリノゲン製剤投与(後日C型肝炎検査の対象になり陰性)をしても一刻を争う事態となり、

 母と子供どちらか助けられないかもしれないがどうしますかという選択に、父は子供を優先しろと即決したとのこと。

 結局、子宮全摘でどちらも助かったが、医療が発達していない時代だったら実際にどちらも助からなかったのだろうなと思うと考えさせられる。


 女性としての臓器を失ったことで、母としてもコンプレックスがあったらしく、

 40を超えて年齢的に通常の更年期症状が現れても、きっと子宮が無いから様々な不調が現れるのだとぼやくことがあった。

 命が助かったのだからしょうがないじゃないかと言いたくなるところだが、生憎当時はお母さんが生きてくれているだけで私は十分幸せだよなんて綺麗なフォローは出来なかった。

 ただひたすらに、母がヒステリーになるのは私のせいではないと自分自身に言い聞かせているだけだった。

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