物語の続き
「いいかい? 絶対に後ろを振り向いてはいけない。この道を真っ直ぐに行けば君は助かるから…。さあ、早く行くんだ!!」
夢の中に突然現れた青年に促されるまま、僕は駆け出した。そもそも、一体何故僕は走らなければいけないのか? 僕は誰から逃げているのか? 疑問は沢山あり、ストーリーも曖昧で、前後の記憶も断片的だが、夢とはそういう物だし、そうあるべきだと思っている。
朝、目覚めた僕は布団の中で、昨晩見た不思議な夢の事を考える。中々変な夢を見たものだ。まあ、午後になる頃には夢の事も忘れているだろうが…。
「彼は、うまく逃げれたかな…」
夢の中の青年は、静かに呟いた。夢を見た『僕』が同じ夢を見る事は二度となく、主人公は変わり、夢の世界の物語は永遠に続いていく…。