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死之都 ―Necropolis― Berlin 1945  作者: [蒼色伽藍]
陸軍 Heer
7/19

[モルトケ]戦闘団

[モルトケ]戦闘団 

Kampfgruppe [Moltke]


 ベルリン正面に展開する第1白ロシア方面軍の南には、ジュ―コフのライバルであるコーネフ元帥が指揮する第1ウクライナ方面軍―5個野戦軍・2個戦車軍・兵力51万―が展開していた。第1白ロシア軍と比較して兵力は少なく、またベルリンまでの距離も120Km余りも離れていたが、ライバルの鼻を明かすべくベルリン一番乗りを果たすつもりでいた。そのため、南東よりベルリンに突入すべく第3および第4親衛戦車軍を最も北よりに配置し、戦線突破後はベルリンへ向けて北西に進撃させる作戦を立てていた。

 4月16日、攻勢を開始した第1ウクライナ方面軍は17日にコトブスを占領、シュプレンベルグ付近でシュプレー河を渡った。同日、ベルリン南方40Kmのツォッセン経由でのベルリンへ進撃する事を、をコーネフはスターリンより許可されている

 第9軍に拘束されている第1白ロシア方面軍を尻目にして快調に進撃は進み、4月20日にはドイツ最大の弾薬廠を有する兵站基地・ユーテルボーグを通過、ツォッセンまで15Kmの地点に到達した。在ツォッセンの陸軍総司令部は至近への敵軍襲来に対抗し、最後の直属予備兵力である[モルトケ]戦闘団《Kampfgruppe [Moltke]》に出撃を命令した。

 [モルトケ]戦闘団は兵力250名からなる装甲捜索中隊であり、元来は参謀総長護衛のための警護中隊である。20日21時、フュルステンヴァルデより戦闘団は出撃した。


編成


・指揮官 クレンケル中尉


 2個フォルクスワーゲン小隊

 装甲偵察車小隊

 重装備小隊


 戦闘団は捜索部隊である為、機動力は高いが対戦車戦闘力は大きくない。そのため、以下の部隊が戦闘団に編入され、戦力強化がなされた。


 装甲猟兵中隊[ドレスデン](注1)20日18時、グリーニッケより出撃

 装甲中隊[クンメルスドルフ]  20日18時、クンメルスドルフ試験場より出撃

 

 45年3月31日に編成された装甲中隊[クンメルスドルフ]《Panzerkompanie Kummersdorf》は1個装甲捜索小隊・4個装甲小隊(注2)からなり、装備車両は以下のように雑多な車両群であった(注3)。

 

・装甲捜索小隊に配備

  4輪装甲車(2cm機関砲装備) 1両

  4輪装甲車(7.5cm24口径砲装備?) 1両

  捕獲装甲車(連装機関銃装備) 1両

  BⅣC(2cm機関砲装備) 1両

  BⅣC(機関銃装備) 2両


・3個装甲小隊に分散配備 

  『ケーニヒスティーガー』 1両

  『ヤークト・ティーガー』 1両  

  『パンター(形式不明)』 4両

  Ⅳ号戦車(形式不明) 2両       

  Ⅲ号戦車(形式不明) 1両      

  ナースホルン 1両

  フンメル(高射機関砲装備(注4)) 1両    

  シャーマン(形式不明・長砲身型) 2両

  

・装甲小隊(不動)に配備

  エレファント 1両

  シュタイアー8.8cmウェポン・キャリアー(?) 1両

  P40(I) 1両  


 [モルトケ]戦闘団は翌21日午前7時、ルカウのソヴィエト軍を攻撃、大損害を受けた。


 [モルトケ]戦闘団と思われる部隊が4月21日に発信した電文の記録が残されている。 

 

 午前7時頃の通信 「ソ連戦車約40両、我が前線を突破。我が方7時に攻撃開始の予定。」

 

 午前9時頃の通信 「攻撃失敗。損害大。敵戦車引き続き北上中。」


注1 対戦車砲6門装備

注2 1個は不動小隊

注3  以下の車両の外に同試験場にあった試作超重戦車『マウス』を2両を装備していたとする資料もある

注4 Sd.Kfz.251/21対空自走砲の3連装MG151対空機関砲を搭載


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