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初恋  作者: haru
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「ずっと前から好きでした。」私があれだけ友達と考えて作った長い告白の文章は頭の中からぶっ飛んでいた。いざ本人を目の前にすると頭は真っ白になった。

放課後の教室。「またベタなところで。」きっと皆さんも思うと思いますが、私から言わせてもらったら、「ベタはベタなりにいいのだ。」です。


相手の顔を見れない。今自分は生きてきた中で一番顔が赤くなっていると思う。

想いを告げたものの、この後どうしていいかわからない。ただ俯いていた。


「ごめん。気持ちは嬉しいのだけど、俺のタイプじゃないんだ。」

そう返された言葉で、私、水元佳緒理の初恋は終わった。


自分の教室で友達の遥と皐月を捕まえて私は慰めてもらっていた。すでに私は泣いていたが。

「勇気を出していったことでしょ?それに、タイプじゃないってことは時間がたてば佳緒理があいつのタイプになるかもしれないじゃん。元気出して?」遥はすごく優しい子だ。いつもこんな風に私に声をかけてくれる。


「遥ぁー。」私はそう言いながら遥に抱き付こうとした。

それを制したのは皐月。


「もー遥が甘やかすから佳緒理が成長しないんだよ?」皐月の一言。すごく胸にグサッとくる。

でもそれは私を傷つける一言じゃなくて、私を一人前の人間にしてくれようとする一言。


私の周りは、優しく励ましてくれるおっとりした、しかし少し幼い顔をした遥と、はっきりとしたお母さんのような性格の、大人っぽいくっきりとした顔立ちの皐月、そして自分に自信のない情けない私で構成されていた。


「そんなことないもん。私、成長してるもん。告白したもん。」ほっぺたを膨らまして私はぼそぼそと反論した。まるで、子供が言い訳をするみたいに。


「告白したのは褒めてあげるけど、ふられたぐらいでグチグチしないの。前を向きなさい。」

「でた、皐月のお母さん。」そう遥が言って、私たちは笑いあった。


私の顔からは涙は消えたが、心の中からは消えなかった。



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