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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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思わぬ再会……⑥

 どうしたものかと考えていると、ふと名案が浮かんだ。


「わかった、ラドベルク。そう言ってもらえて嬉しいよ。じゃあ、さっそく一つお願いがあるんだけどいいかな?」


「お願いなどと言わず、あるじなのですから、どうぞお命じになってください。喜んで従いますので……」


 う~ん、真面目なのは知ってるけど、イエナの前で年のあまり変わらない女の子に『喜んで従う』というのもどうかと思ったけど、当のイエナが目をキラキラさせながら成り行きを見守っているので、まあいいとするか。


「実は、これから血統裁判というのがあってね……」


 オレはこれからの予定についてラドベルクに説明した。




「お考えうけたまわりました。その血統裁判とやらにリデル殿の護衛として参加すれば良いのですね」


 聞き終えたラドベルクが得心したように頷いたので、オレはすぐに否定する。


「いや、そうじゃないんだ。血統裁判には出てもらうけど、オレの護衛としてではないんだ」


「と仰いますと?」


 ラドベルクは訝しげな表情をする。


「血統裁判は、アエルという血統裁定官が執り行うんだけど、その方の護衛を頼みたいんだ」


「申し訳ありません。仔細をご説明願えますか?」


「もちろんさ」


 オレは自分が閃いた名案をラドベルクに披露する。


「そのアエルって方はオレの申し出で血統裁判を開いてくれるんだ。なので、ガートルード側としてはアエルはオレ側の人間だと考えていると思う。万が一、事が起きた場合にはオレ共々始末してしまおうとする可能性だってある。だから、アエルの身柄を護るための護衛が必要なんだ」


「ですが、それなら別にリデル殿の護衛として護れば良いのではありませんか」


「それじゃ駄目なんだ。オレの護衛が護れば、ますますオレ側の人間と思われるだろ」


 ラドベルクが説明の続きを求める顔をしていたので、オレは話を続ける。


「オレとしては、アエルを神殿側という立ち位置に置きたいんだ。さすがにガートルードも今の段階で神殿とは揉め事を起こしたくないだろうから、アエルが神殿側に属しているなら、その身柄をどうこうするとはないと思う。まあ、実際に神殿側の血統裁定官だから、あながち嘘ではないけどね。とにかく、そういうわけで、ラドベルクはオレの護衛ではなく、あくまでアエルに雇われた護衛というていを取りたいんだ」


「つまり、事が起こったとき、そのアエルと言う方の安全をより確実にしたいというわけですな」


「うん、そうだよ」


 こうすれば、実のところアエルだけでなくラドベルクも神殿側の人間と思われ、身柄の安全が確保できるという算段なのだ。

 うん、我ながら名案だと思う。



「良く考えられた案だと思いますが、一つ問題があります」


 あれ? 何か見落としてる点があっただろうか。


「何か問題があった?」


「はい、その案では私がリデル殿をお護りすることができません」


 思わぬ返答に目が点になる。


「そ、そう……確かにそうだけど、でも、オレのことなら心配しなくていいよ。クレイもヒューもいるし、第一オレの馬鹿げた戦闘力はラドベルクが一番よく知ってるだろ」


「それはもちろんです。私などよりリデル殿の方がはるかに強いことは、重々承知しています。が、それでもです……」


 ラドベルクはきっぱり言う。


「聞いた話では、相手は謀略や策略を用いるやからというではありませんか。闘いにおいて、貴女が誰かに遅れを取るとは露にも思っていませんが、相手がどのような手を使ってくるか不明なのです。万が一に備えて、リデル殿を護るのは従者としては当然の務めとは思いませんか」


 さすがラドベルク。どうやらオレの意図に気がついたようだ。おそらく自分だけ安全な立場になるのを良しとしないのだろう。

 まったく、どこが浅学なのか問い質したい気分だ。


「ラドベルクの言いたいことはわかるよ。そのとおりだとも思う。けど、今回はアエルの安全の確保を優先的に考えたいんだ。そのためにはラドベルクに頼むのが最適解なんだ」


「しかし……」


 なおも言いよどむラドベルクにオレは切り札を切る。


「あれ? ラドベルク。さっきオレのめいには『喜んで命令に従う』って言ってなかった?」


「そ、それは確かに言いましたが……」


 卑怯くさい手だが、ラドベルクの安全を確保するためだ。この際、部下の意見を聞かず命令する暴君になろう。


「だったら、言うとおりにアエルの護衛になって欲しい。これは、貴方にしかお願いできない

頼みごとなんだ」


「…………わかりました。仰せに従います」


 おおよそ納得したとは言えない顔付きだったけど、ラドベルクはずいぶん間をおくと、渋々了承してくれた。

 よし、アエルの安全の件はどうにかなったな。これで、安心して血統裁判に臨めるというものだ。


 で、話は変わるけど、実はラドベルク親子に会って話をして、オレはもう一つ血統裁判までに是が非でも確認しておきたい気懸かりな点ができてしまったのだ。

 そのためオレは、ラドベルクと別れると急いでノルティの実家へと戻ることにした。


やっちまいました(>_<)

集合駐車場で隣の家の車をこすってしまいました。

明日、お詫びに行きます。

車はへこむほどではなかったけど、私の心はかなりへこんでます。

最近、ホントついてません。

真剣にお払いが必要かも……。



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