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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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思わぬ再会……③

 今後の予定が決まり、それに向けてクレイやソフィア達が準備を始めたので、時間の空いたオレは『血統裁判』の予行練習をジルコークの元でアエルと共に行うことにした。

 練習場所は心苦しいが、サウルスさんの屋敷の広間を使わせてもらっている。普段、使用していないことと屋敷の中で一番広い部屋だったからだ。

 本当は、実際に『血統裁判』が行われる大神殿の天帝の間を使うのが、リハーサルを行うにはもってこいだったのだけど、ガートルード側の監視の目がどこにあるかわからないので、目立つ行動は避けようということになった。


 ちなみに、放っておくと盛大に拗ねるノルティも練習に参加させている。役どころはガートルードの代役だけど、噂によると弁舌が得意らしいガートルードのようにはいかないので、ジルコークの書いた台本の棒読みとなっていた。

 でも、事前に『血統裁判』について過去の文献で調べ上げてくれていたので、ジルコークさんの説明の足りないところをノルティが補足してくれて、とても助かった。

 なので、そのことを告げると、いくぶん自分の演技に自信喪失していたノルティは、『血統裁判』の主役として張り切っているアエルに対抗できたと満足げだ。


 それにしても、こうして互いに高め合うことは二人にとっても有益だと感じたし、種族(?)を越えた友情が芽生えるといいのにと素直に思う。

 ただ、当の本人達はオレの評価や反応に一喜一憂していて、とてもその領域に到達できそうにはなかったけれど。


 しばらく、作法に則った裁判の練習を繰り返して、何とか順調にこなすことができるようになったが、実際のところ裁判後半のガートルード側の動きが予測できなくて不安が残る。

 謁見の間での暴挙を考えると、結果次第では戦闘になる恐れも多大にあった。

 その際のアエル達の安全の確保についても配慮する必要を感じ、クレイや神殿側にその対策を依頼することとした。

 まあ、オレやクレイ、それにヒューに加えてトルペンもいるのだから、よもやガートルード側に戦力的に後れを取るとは思えないけど、用心は重ねておこう。


 そうそう、名前が出たので伝えておくと、トルペンはアリスリーゼ行きのあとイスケルド城に戻っており、ギリギリまで身体の修復に努めるとのことだ。


 一方のヒューについては……おや、ちょうど練習の休憩をしているオレ達のところにヒューが顔を出しに来たので、直接聞くことにしよう。




「リデル、ご無沙汰しています。クレイに聞きましたが、アエルの件は重畳ちょうじょうだったようですね」


「ヒュー、久しぶり。それと、ありがとう。そっちの方こそクレイからいろいろ聞いてるよ」 


「いえいえ、たいしたことはしていませんよ」


 ヒューは謙遜するが、オレ達が裏に回って動いている分、表に立って活動してくれていたのだ。


 と言うのもヒューは、かねがね『白銀の騎士』として高名で、貴族のサロンや舞踏会に引っ張りだこだったのは有名な話だ。それが、皇女オレに助力して帝都へ帰還したことで、より人気に拍車のかかった状況になったのだそうだ。

 多くの貴族や奥様方、ご令嬢は、皇女にまつわるその数奇な冒険譚を聞きたがって、ヒューが帝都にいる間、ひっきりなしに誘いが絶えず、断るのに苦慮していたらしい。

 おそらく、師匠探しに帝都から離れようとしたのも、そうした事情があったのだと思う。


 けど、今回の政変が起きたあと、ヒューは今まで断ってきた誘いに次々と応じてくれている。政変の結果、皇女が入れ替わったことは、あの時に謁見の間にいた貴族達から瞬く間に貴族社会に広がっていて、混乱を招いていた。それに対する貴族達の反応や動向を知るには舞踏会等に参加するのが一番手っ取り早かったのだ。

 つまり、貴族間の皇女に関する情報収集とオレに対する支持率向上の目的のために、ヒューは率先して貴族の招きに応じるという、表の活動を行ってくれたわけだ。

 今日、ここに来るのにも監視の目を潜り抜け細心の注意を払い、訪れてくれたようだ。


「それで、実際のところどうなんだ、貴族の連中の様子は?」


「今はまだ、静観を決め込んでいるようですね。どちらの皇女に軍配が上がるかわからないので、旗色を明らかにしたくないのでしょう。ただ、感触としてはリデルの方に肩入れしたいと思っている貴族達が多いように感じました」


「ガートルードは高圧的だし、一方的過ぎるからな」


「それが良いという貴族も少なからず居ますが……」


「うえっ、どこにでも変態はいるんだな」


「リデル……たぶん、そういうのとは違うと思います。皇族は格式を高く持ち、強くあって欲しいと考える者達もいるということです。その点、リデルは……庶民的ですから」


 悪かったね、格式が無くって。親しみやすさだけが取り柄なんでね。 


「それはそうと、リデル。さきほど、懐かしい人物に出会いましたよ。貴女に会いたがっていたので、別の場所に待たせてあるのです。会いに行かれますか?」


 ヒューの告げた人物の名を聞き、オレは予行演習を急遽中止し、ノルティの実家を後にした。


今回も綱渡りでしたw

何と間に合いましたが、週ニ更新は厳しいかも……。

しかも先ほど、更新しようとした矢先に、家のブレーカーが上がり、今日書いた分が吹っ飛びました(>_<)

なので、あとがきを書くのも2回目ですw

無理のない範囲で頑張りますので、週一更新になったらごめんなさいです。

それでは皆さんも、インフルに負けないよう頑張りましょう!(さっきは、ここで電源が落ちました泣)


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