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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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再び……③

◇◆◇◆


「うわっ、何だこれは……」


 Ⅱ類神具『縮減回廊(例のタペストリー)』の向こう側へ出ようとしたオレは、抜けたとたんに今来た方向に戻るような力に驚く。

 慌てて両手両足を左右に広げ、つっかえ棒のようにして留まった。

 サウルスさんの部屋に吊るされた神具を潜り抜けようとしたオレは、こちら側では地面から飛び出す格好で出現したようだ。


「トルペン、酷いじゃないか。タペストリーを地面に置くなんて……」


 そう、トルペンの奴、タペストリーを吊るさないで地面に敷いたものだから、転移したとたんにオレは上下の感覚がずれ、無様な姿を晒していた。


(申し訳ありません、リデル様。なにぶん竜の形態をしておりますので神具を広げるだけで精一杯だったのです。お許しください)


「許すも許さないもないけど、見てないで助けてくれよ」


(おお、そうでしたね)


 トルペンは口先をオレに向けると器用にオレの服の裾を加えると、ひょいと引っ張り挙げてくれた。

 オレは、その勢いのままトルペンの前にすっくと立つとトルペンを見上げて礼を述べる。


「ありがと、トルペン。助かったよ」


(どういたしまして、リデル様。それよりお加減は大丈夫ですか? 転移酔いとかしてはいませんか)


「それは大丈夫だけど、ちょっとびっくりした……で、ここはどこだ?」


 辺りを見回すと、使われなくなった貴族の別荘といった感じの木々で鬱蒼と覆われた建物が目の端に映る。


(アリスリーゼ郊外の没落した貴族の別荘のようです。人がいないことを感知して、ここを選びました。リデル様の足なら、数時間でアリスリーゼ市という位置です)


「そりゃいいね。さすがはトルペンだ」


(お褒めいただき嬉しいです。それで、リデル様。これからの行動は予定どおりで?)


「ああ、これからオレは、この神具を持って北方大神殿へ行ってくる。これって、あと五回分は使用可能なんだろ?」


(ええ、間違いなく充填してあります)


「ならいいんだ。トルペンはこの辺で、人に見つからないように待っていてくれる?」


(はい、問題ありません。認識阻害の魔法で隠れようと思っていますので、一般人になら、よほどのことが無い限り見つかることはないでしょう)


「了解した。じゃ、早速行ってくるね」


 オレはトルペンと別れて、アリスリーゼの北方大神殿へと向った。




「思ったより広かったな」


 オレは走りながら、独りごちる。

 トルペンが拠点として定めた貴族の元別荘地は、かなりの敷地面積を有していたようだ。なので、もうほとんど小さな森と化していて、人の影すら見えなかった。

 これなら、トルペンが見つかることもないだろう。

 アリスリーゼは海に面した場所が栄えているので、こうした内陸部の発展が遅れているのが現状だ。

 この場所のように別荘地となるか、アリスリーゼを支える穀倉地にならない限り、手付かずとなっている。逆を言えば、海に面していれば発展が見込まれるのだから、内陸部に目を向ける必要がないとも言えた。


 ようやく、森を抜けアリスリーゼまでの街道に出るとオレは、ほっとした。方角はわかっていたが、道なき道を急いだので、多少の不安があったからだ。

 ここからなら、アリスリーゼまでは、さほど時間がかからないと思う。

 ただ、これからは人目があるので、今までのような人外な速度で走ることはできない。なので、トルペンの目算よりは時間がかかりそうだった。


 そうそう、せっかくだからアリスリーゼ行きに至るまでの経緯を説明しておこう。


 あの場でオレの計画の実行をクレイと決めた後、クレイには出発の準備とヒューを探してもらうようにお願いし、オレはソフィアを伴い、再び中央大神殿のパティオを訪ねた。

 ヒューはクレイ並にオレに対して過保護なので、しっかり説得しておかないと後が怖いからだ。

 まあ、最終的にオレの決定を支持するのが、いつものヒューだけど。


 大神殿に着いてパティオと面談し、オレがアリスリーゼに行くからルータミナに連絡を取って欲しいと言うと、かなり驚かれ説明を求められたが、トルペンや神具のことがあるので黙秘を貫くと、最終的には呆れ果てた顔で、「まあ、皇女殿下あなたなら何でもありですからね」と嘆息された。


 心外な、今回の件はトルペンの能力が異常なだけで、オレはいたって普通のことしかしないのに……納得いかないぞ。まあ、説明できないオレが悪いんだけども。

 

 そんなこんなでバタバタしながらも準備を整え、こうしてこの地へ跳んで来たのだ。

 気懸かりだったガートルード陣営の動きも全く無く、宮殿にも別段変化も見られなかった。たぶん、オレの帝都入りは掴んでいるはずなのに放置状態なのは、自信の表れなのが別に理由があるのか見当もつかない。

 ただ、わかっているのは、この時間的猶予があるうちに、こちらの態勢を整えなければならないということだ。


 そのためのアリスリーゼ行きであり、アエルとの合流なのだ。彼女の存在はオレ達の切り札と言っても過言ではなく、失敗は許されなかった。


新作の構想がほぼ固まってきました(←性懲りも無く)

キャラ設計ができたら、少しづつ書き溜めていこうと思います。

並行したら、きっと両方エタるので、「いつ可」優先で書いていくつもりです。

現代物はリサーチが大変ですねw

早くもめげそうです(>_<)


あ、あと誤字訂正してくださった方、ありがとうございます。

助かります。凄いですね、誤字報告(訂正)機能!

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