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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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師匠と弟子の間に……①

「ここだな」


「ここだね」


 オレとクレイはラルフさんに教えてもらったノルティの自宅の前に立っていた。


「これは、またずいぶん……」


「ああ、凄いね」


 サウルス館長から古い家としか聞いていなかったので、こじんまりとした家を想像していたのだけど、実物は全く別物だった。

 家と言うより邸宅と言って良いレベルだ。


「帝都の中心部に庭付きの邸宅だなんて、どこの貴族かって感じだね」


「そうだな。下手な新興貴族より格式があるかもしれないな」


 ノルティって、実は超お嬢様だったんだ。知らなかった。


 そう言えば、前にノルティから、お父さんは最初から学者を志していた訳じゃなかったって聞いたことがあったっけ。

 出自については聞いていなかったけど、とんでもなく裕福な家庭に育ったことだけは間違いないだろう。そうでなければ、学者になれるほどの知識や教養が得られるはずがない。

 この世界では学識を高めるにはお金がかかるのだ。


「さて、どうするリデル。ここで、こうしていても埒が明かないぞ」


「そだね、さっさと中に入ろう」


 そう言いながら門に近づくと、いきなり制止の声に阻まれる。


「ちょっと、あんた達。あたしの家に何か用なの?」


 声のする門の中へ視線を向けると、オレより少し年上ぐらいの綺麗な娘が腕を組んでオレ達を睨みつけていた。

 長い金髪で勝気そうな目をした娘は不審げな表情でオレ達の様子を窺っている。 


「え~と……ここ、君んち?」


「そうよ! さっきから、そう言ってるじゃない」


「君はノルティ……じゃないよね」


「ち、違うわよ!」


 オレが愛想笑いを浮かべながら冗句を口にすると、相手はノルティと言う名前に明らかに動揺を見せる。 


「オレ、ここがノルティの家って聞いてきたんだけど、間違ってる?」


「ま、間違ってないわ。あんた達、あの娘の知り合いなのね」


「そうだよ。あ、オレはリデル。ノルティの友達なんだ。そっちはオレの相棒のクレイ。君は?」


「アリィよ。とにかく、さっさと中へ入ってちょうだい」


 勝気な娘、改めアリィはオレ達に屋敷の中に早く入るように急かす。不審な人物が自宅の門前で騒ぐのを嫌っての行動のようだ。

 オレが言うのもなんだけど、アリィさんはずいぶんと男勝りの性格をしていた。フードを被っているせいもあるけど、オレを男だと思っているようで、向ける視線もなかなかに厳しい。

 誓ってもいいが、絶対にノルティと相容れないタイプと言っていい。本当に一緒に住んでいるのだろうか。


 アリィの後について門を抜けると広い庭に出た。外から見たときも綺麗な庭だなと思ったけれど、近くで観察すると実に良く整備されていて、庭の片隅には家庭菜園も見受けられる。

 この家の主がしっかりとした人物だとよくわかる庭だ。


 と、その時、作業着に大きい帽子を被り、その菜園で草取りしていた女性が、こちらに気付き立ち上がった。アリィに似ているが、勝気さは無く、代わりに柔らかそうな印象の女性だ。

 おそらく彼女がサウルス館長から聞いた、かつてノルティの世話をしてくれたというカレンさんだと思われたが、話で聞くよりずいぶん若々しく見える。


「アリィ、お客様ですか?」


「そうだけど、そうじゃないの」


「? どういう意味かしら」


「うちにじゃなくて、ノルティのお客なのよ、ママ」


「まあ、それは大変」


 何が大変なのかよくわからないけど、カレンさんは急に慌てだすとオレ達に言った。


「私はカレンと申します、お客様方」


「オレはリデル。こっちは相棒のクレイ。ノルティの友達なんだ」


「まあ、そうですの」


 娘のアリィと違って、ホントにほんわかしている。


「その……ノルティに会いに来たんだけど、会えるかな?」


「……リデル様、クレイ様。立ち話もなんですから、とにかく屋敷の中にお入りいただけますか? アリィ、応接間に案内差し上げて」


「わかったわ」


「私は着替えてから、お茶の用意をするから、それまでお願いね」


「ええ~っ! 面倒くさい」


「もう、子供のようなことは言わないで。頼みましたからね」


「仕方ないなぁ。じゃ、ついて来て」


 アリィは面倒そうな態度で、オレ達について来るように促した。母親に比べて、ずいぶんフランクと言うか大雑把な性格のようだ。

 母親は繊細そうなのに、なんで、こんな風に育ったのだろう。


 そう思いながら、彼女の後ろについて進んでいると、クレイが耳元で呟く。


「何か、このの性格、お前に似てるな」


 し、失敬な!

 オレはこんなに適当で大雑把じゃないぞ。

 発言の訂正を要求する!


 オレが内心、クレイに対して大いに息巻いている間に応接間へと着く。


「中に入って、くつろいでてよ」


 アリィは、そう言いながらもオレをじっと見る。


「な、何か?」


「いや、あんたさ。普通、家に入ったらフードとか、とらない?」


 ごもっとも。

 意外に社会常識はわきまえているようだ。

 確かに、これはオレが悪い。


「ごめん、悪気はないんだ」


 慌ててフードを外そうとして一瞬、躊躇うが、思い切って外すと、案の定アリィはオレを見て固まった。


また新キャラでごめんなさい。

本当に人名事典を作らなきゃダメかもw

作者も忘れがちですから。

何だか、記憶力が日に日になくなっていく気がします(>_<)


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