表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
405/655

帝都への帰還……④


「とにかく、今も現役で『血統裁定官』という訳なんだ。言いたいことはわかるだろう」


「……まったく貴方という人は、皇女殿下のこととなると本当に無茶を通しますね」


 深いため息をついた後、パティオは言った。


「良いでしょう、本物かどうかはこちらで判断します。呼び寄せることは可能ですか?」


「もちろんさ。ただ、ことを急ぐために一つお願いしたいことがあるんだ」


 パティオの怪訝そうな顔を見て、にやりと笑みを浮かべたクレイがそっと囁く。


「大神殿が所蔵しているⅡ類神具『遠伝之筒とおづてのつつ』を使って欲しいのさ」


「貴方、何故その存在を…………まったく、これだから貴方の一族は侮れないですわね」


 ちらりとソフィアに目線を向けてから苦笑いする。


「そこのお嬢さんのように、大神殿にも多くの密偵が入っているということかしら」


「それはちょっと違うな。神殿に籍を置いている者達は真面目に神さんを信じているさ。ただ、教義や良俗に反しない限り協力してくれているだけだ。それに……」


 今度はクレイが嘆息する。


「こっちから言わせれば、一族の中にもイオラート教を信奉する者もかなりの数いるから、そっちの方を常々危惧してるんだ。俺達一族が大神殿に対抗するなんて蟷螂とうろうの斧もいいところさ」


「物は言いようですね」


「まあ、そんなことはどうでもいい。事は急いでるんだ。神具を使ってくれるかどうか確認したい」


「また無理を言いますね。あれは緊急の際、大神殿間でのやり取りに使用するもので、通常はおいそれとは使えないものなのですよ」


「そいつは、もちろん承知してる。それにかかる経費はこっちが持つ。どうだ、出来るか?」


 クレイは真面目な顔つきでパティオをじっと見つめる。


「『出来る』か『出来ない』かという二択なら、『出来る』と言えるでしょうね……しかし、私の一存で決めることは……」


「そこを頼むよ、パティオ様」


 手を合わせて頼むクレイが見せる、やさぐれた雰囲気の中にちょっと色気のある表情。


 女をたぶらかす悪いモードのクレイの常套手段だ。


「……どう頼んでも無理なものは無理です。ただ、今回は帝国の根幹を揺るがす大事ですし、経費を負担してくれるようですので、前向きには検討しましょう」


 クレイを冷たく睨みながらも、パティオは渋々了承してくれるようだった。


「お、やっぱり、美人は話がわかるね。ますますファンになっちまうよ」


「戯言はたくさんです。で、『遠伝之筒』をどう使うのですか?」


「北方大神殿のルータミナ大神官に伝言を頼みたい」 


「ルータミナですか……久方ぶりにその名を聞きました。北方大神殿の大神官に任じられたそうですね。彼女は元気でしたか?」


 ルータミナの名前を聞いてパティオは懐かしげな顔をする。


「知り合いなの?」


 その表情が気になって思わずオレは口を挟んだ。


「ええ、ルータミナは中央大神殿ここで修行をしていたのですよ。当時は親しくさせていたいただいたものです。そうそう、彼女の御父上には?」


「ノーマン提督には会ったよ。すごく豪快な人だよね。あれ、パティオも会ったことがあるの?」


「はい、彼女が故郷アリスリーゼに戻るときに迎えに来られまして……初めてお会いしましたが、それは驚きました」


 パティオの表情がノーマン提督から受けた印象を物語っている。

 まあ、あれは確かに反則級だからな。


「ホント、あの二人って似てない親子だよね」


「もう殿下ったら、提督に悪いですわ。ただ、奥方様はさぞかし、お美しい方だったのでしょうね」


「パティオもけっこう酷いこと言ってると思う……」


「悪い、楽しそうに話してるところ済まないんだが、時間がないんだ。パティオ、下らないおしゃべり、というか回りくどい詮索は止めてくれ」


 不意にオレとパティオの話にクレイが割り込んできたので、オレはむっとした。


「クレイ、何だよ突然」


「あら、クレイさん、強引が過ぎますと女の子に嫌われてしまいますよ」


「……あんた、今さら女の子という年齢でもないだろう」


 クレイの言いようにパティオの目付きが、すっと細くなる。


 ば、馬鹿クレイ……言ってはならないことを……。

 せっかく協力してくれるって相手を敵に回してどうする。


「パ、パティオ、ごめん。こいつ、オレのことになると分別がなくなるんだ。だから、気を悪くしないで……」


「大丈夫ですよ、皇女殿下。私は大人・・の女ですから、こんなことぐらいで怒ったりしません。まあ、クレイ殿からしたら、大年増おおどしまでしょうけど」


 オレの取り成しにパティオは笑顔で答えてくれたけど、目が笑ってない。


「なあ、あんたが知りたいのは、今回の件を北方大神殿は元より海軍が……引いてはレイモンド統治官がどこまで承知しているのか知りたいんだろう」 


 クレイの直接的な質問にパティオは固い表情を少し和らげる。


「……まったく貴方と言う人は馬鹿正直というか何というか。ええ、その通りです。私の本心はアリスリーゼ行きの成果を聞きたかったのです」


 クレイにそう答えると、パティオはオレに頭を下げる。


なんだか急に季節が変わりましたねw

私の方は体調不良は回復しましたが、リアルが忙しすぎて時間があるません。

やりたいことが、たくさんあるのにどれも中途半端な気がします。


そして、先週はすみません。不調のせいで心が弱くなっていたようです。

心配おかけして、ごめんなさい。

もう大丈夫です。

ありがとうございました(>_<)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=687025585&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ