呪われし血の少女……⑤
◇
「いやはや何とも驚きましたな」
言葉とは裏腹にジルコークは少しも驚いているようには見えなかった。
けど、これは開かずの間について彼が事前に何か知っていたというわけではなく、たぶんに彼の素の表情らしい。
どうやら、アエルに関すること以外は沈着冷静というか動じない性格のようだ。
「これは実に眼福だねぇ。全部でいくらぐらいになるんだろう。ぜひ、じっくり鑑定してみたいところだよ。ね、ジルコークさん、ちょっと触ってみてもいいかい?」
ジルコークに付いてきたサラは目を輝かせて、財宝の山を食い入るように見つめている。ある意味、非常に素直で人間らしい反応であり、本音を隠さない分、いっそ清々しく感じるほどだ。
日頃より、サラの性格を知っているオレ達はともかく、ジルコークは明らかにドン引きしている。
まあ、黙って座っていれば、かなりの美人だからギャップの差は大きいんだろう。
「…………」
サラの後ろに控えるのが定位置のワークも、普段無口で表情をあまり変えないのだけど、さすがに驚きを隠せないようだ。けど、主人であるサラが暴走しないように、しっかりと見守っている。
ホント、できた護衛だと思う。前から、気になっていたけど、サラとワークの関係って、本当のところどうなんだろう? ただの雇い主と使用人という関係より深い繋がりを感じるんだ。
「しかし、これではっきりしたな」
オレが自分のことを棚にあげてサラとワークの関係について考察していると、クレイが納得したように口を開いた。
「ジルコークさんが知らなかったってことは、この開かずの間について詳しい事情を知っているのは、あの人物だけだってことだ」
「まあ、そうだろうね。始めから何となく胡散臭かったし、開かずの間の様子もかなり気にしてるようだしね」
オレはクレイの言う『あの人物』の顔を頭の中で思い浮かべる。
まあ、ちょっと強引過ぎて怪しいとは思っていたんだよな。
「『あの人物』とは、いったい誰のことですか?」
ジルコークが怪訝な表情で尋ねてくる。
「そりゃ、俺達の元の依頼人で、傭兵団をこの山荘に差し向けてあんた達を殺そうとした人物だな」
「……なるほど、ジロムク村長ですか」
ジルコークは腑に落ちたのか、ゆっくり溜息をついた。
「おそらく、開かずの間に中身について何か知っていたからこそ、この屋敷の人間が邪魔だったんだと思うね」
「でも何で、開かずの間について知っていたんだろう? そもそも、あの宝物はどうしたのかな?」
「さあな、村長に聞くのは話が早いと思うぞ」
オレの問いにクレイは、やや投げやりに返答する。と、言うより明らかに気分を害している。どうやら、知らない間に犯罪の片棒を担がされそうになったことに腹を立てているようだ。
それも、クレイだけでなくオレまで巻き込もうとしたことが、怒りに拍車をかけていた。
「しかし、リデル様。村長を問い詰めると言っても、今日はもう遅いです。すぐに夕食の用意もさせますので、泊まっていったら如何ですか? そうしていただければ、アエル様もお喜びになります」
「そうだよね……クレイ、どう思う?」
ジルコークの願ってもない申し出に内心喜んだけど、念のためクレイの意見を聞こう。
オレがこのパーティーのリーダーだって、クレイもヒューも言うけれど、何だかんだ言っても実際はクレイの意見が強い気がするんだもの。
「そうだな、俺としては……」
「そうそう、リデル様。夕食が出来るまで、まだ時間があります。お召し物も汚れているようですし、当家には露天風呂もありますので、入っていかれたら……」
「露天風呂だって!」
オレの目が輝いた。
み、短くてごめんなさい<m(__)m>
実は、日曜日に突然、パソコンが立ち上がらなくなってしまい、更新不能になってしまいました。
何とか、復旧したものの動作が不安定で、不意にフリーズしたりして困っています。
今は騙しだまし使っていますが、年末に友達に見てもらおうと思っている状態です。
なので、更新が滞る可能性がありますので、ご理解願います。
本当に、ごめんなさいです(>_<)




