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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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呪われし血の少女……③

 オレの疑問を余所にジルコークは話し続ける。


「その時の感動をどう表現していいか私にはわかりません。ただ、すぐにわかったのは神殿がアエル様のことを魔族などと決め付けているのは断じて間違いであり、度し難い過ちであるということです。アエル様こそ、天神がこの世の秩序を正すために遣わされた救いの使徒なのです」


 うん、彼はどうやら宗教家にありがちな思い込みの激しいタイプのようだ。


「私は天啓を受けました。この方のために私は生を受け、この方に仕えるために生きているのだと……。そこから私という人間は変わったのです。父を説得し幼くして神学校に入ると猛勉強と厳しい鍛錬に打ち込みました。おかげで神学校を首席で卒業することができ、神殿での席次はとんとん拍子で上がっていきました」


 まあ、そこまで一つのことに傾倒してたら、脇目も振らずだからなぁ。


「けれど、それでもまだ、アエル様のお側に上がるのは容易なことではありませんでした。アエル様は大神殿にとって秘事の秘だったからに他なりません。私は考え……考え抜いて答えを導き出しました」


 最初は忠義の厚い真面目な人だと思ってたけど、だんだん気味悪く思えてきた。


「アエル様を管理下に置いている部署の長になれば良いのだと……」


「それで、正神官にまで上り詰めたってことなの?」


「はい、当然でしょう」


 ジルコークは曇りの無い目で断言した。


 うわあ~目がマジだよ、この人。


 ちょっと、怖すぎる……。


 けど、アエルのために若い頃から努力と鍛錬を積み、大神殿の位階第三位までのし上がったって言うのは確かにすごい。

 

 並大抵の努力じゃ、とうてい叶わない話だと思うし、普通はとても無理だと諦めるに違いない。


 いったい、彼の原動力は何なのだろう?


 一般的に言えば……。


「そのぉ……ジルコークはアエルのことを愛してるの?」


「もちろんです。私の愛はすべてアエル様のものです」


「いや、そういうのではなくて、男女の間の感情のことで……」


「な……そんな邪な気持ちなど毛頭ありません!」


 憤慨したようにジルコークは気色ばむ。


「ごめん、信心を疑うつもりで言ったわけじゃなくって……ほら、ジルコークさんのアエルに対する眼差しって凄く優しいでしょ。だから、崇拝しているだけのように見えなくてさ」


「それは…………確かに使徒に対する敬愛とは別に、近親者に寄せる親愛に近いものがないと言ったら嘘になるでしょう」


 ジルコークは素直に認めた。


 実際、オレにもジルコークほど極端ではないが、同じように近親者目線の不思議な人物がいるので、よくわかる。

 ふと、そんなある人物のことを思い返していると、部屋の扉を叩く音がした。


「リデル、キース達が到着した。話を切り上げてもらってもいいか?」


 クレイが、その人物の到着を告げた。


◇◆◇◆◇


「二人を残して、先に行ってしまってゴメン。急いでいたんで他に方法がなかったんだ」 


「いえ、心配はしてましたが、本当に間に合って良かったですね」


「あたしとしては、大の男を背負って風のように走るリデルの姿が見られて僥倖だったよ」


 ジルコークとの話を中断して扉を開けると、クレイと一緒に、キースことヒューとサラの姿があった。


 オレは成り行きで彼らを残して先行したことを謝罪すると二人は驚いて恐縮する。二人とも謝られると思ってもいなかったようだ。


「しかし、前々から思っていたけど、リデルの身体はいったいどうなっているんだい。まるで魔法仕掛けみたいじやないか」


 ええ、サラさん。オレも自分の身体が不思議でなりません、はい。


返答に窮していると、クレイが助け船を出してくれる、


「それより、詳しい話は聞けたのか?」


「うん、まあね……また後で話すよ」


 アエルの正体を見てしまったオレに対し、ジルコークは全て話す決意をしたけれど、他の人には今まで通り秘密にすることを約束させられた。

 秘密を保持するには共有する人間が少なければ少ないほうが良いに決まっているので、ジルコークの申し出は当然なのだけど、クレイとヒューにまで秘密にするのは、少し心苦しかった。

 いずれは話そうと思っているけれど 、この屋敷にいる間は我慢することにする。


「それよりクレイ。あの連中の監視はどうしたんだ?」


「ああ、それならワークに代わって貰ったんだ。ちょっと気になることがあってね」


「気になること?」


「あの団長さんが妙なことを言ってたんだ」


 どうやら、監視している間にクレイと会話をしたらしい。

 同じ傭兵の立場を利用して心証を良くすることで裁判の折に有利な証言をしてもらおうという魂胆のようだ。

 残念ながら、オレ達はすぐに出立するから、裁判で証言などできないだろうけど。


「とにかく一緒に来てくれ」


 有無を言わせず、先に立って歩くクレイの後をオレ達は追いかけた。


 そして、しばらく長い廊下を進むと、やがて廊下の奥に両開きの扉が見えてくる。

 しかも、傍らにエルトヴァルトが仏頂面で待ち受けていた。


「エルトヴァイトさん? 何でここに」


「決まっている。君の相方に呼ばれたからだ」


 クレイに?


 驚いてクレイを見ると、奴はすまし顔で言った。


「いや、開かずの間を調べるのに、屋敷の人間は必要でしょ」


 え、開かずの間だって?


 それって、ジルコークが前に話してた部屋のことだよね。


さ、寒いです!

暖房器具が手放せません(>_<)

カレンダーもあとわずかですね~。

時間が経つのが速いなぁ……。


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