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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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奇妙な住人たち……⑤

「止さないか、ガロムク。彼の言うとおり、依頼した仕事はすでに終わっている。直に、この人達は村から離れる身の上なのだ。もう、関わり合う必要はない」


 父親にきつく言われて「ふん、命拾いしたな」とオレが思っていたのと同じ台詞を口にして、名残惜しそうにオレを睨んでから、渋々と部屋から出て行った。


「とんだところをお見せして申し訳ありません。ただ、少し言動は乱暴ですが、ああ見えて親孝行で頼りがいのある息子でしてな。今はまだ、あの通りですが所帯でも持てば落ち着くでしょう。ですので、ゆくゆくはこの村を任せたいと思っておりましてな」


 あいつが村長?

 親バカも大概にしないと周りが迷惑するよ。


 思わず、この村の行く末を案じてしまう。


「とにかく、依頼の後始末はこれで心配ありません。後のことは息子達に任せますので、ご安心ください」


「息子達?」


「ええ、息子の所属している傭兵団の方々が来てくれましたので、何とかなるでしょう」 


 あの息子の仲間と言うなら、大体素性が知れるけど、まさかその傭兵団を使って山荘を襲うつもりじゃないだろうな?


「村長、一つ忠告しておくが、あの山荘に手を出すのは止めたほうがいい」


 クレイも同様に思ったらしく真顔で警告する。


「ははは……尻尾を巻いて逃げて来たあなた方にそう言われましてもねぇ」


 村長は侮る素振りを隠しもせず鼻で笑った。 

 何の収穫も得ずに帰ってきたオレ達の言葉を、村長は聞く耳を持たないようだ。


「とりあえず、今晩は我が屋敷に泊まられて、明日の朝に出発すると良いでしょう」


 実際、依頼は失敗ではなかったが、依頼主の意に沿えなかったのも事実であり、成功とは言えなかった。

 なので、成功報酬であった豪勢な夕食で歓待を受けることはなかったけれど、村長の好意で質素な夕食と簡易な寝床を用意してくれることになった。


 まあ、出してくれるだけマシだし、温泉に入れれば良しとしよう。

 端々に見える厄介者扱いには少し閉口するけど……。


 そう思いながら、村長の部屋から退出したオレ達は用意された客間に向かう途中、中庭に面した廊下に差し掛かった。

 すると、中庭には例の息子君が所属する傭兵団とやらがいた。


 第一印象は、とても真っ当な傭兵団には見えなかった。むしろ、盗賊団という方がしっくりくるような集団だ。薄汚れた防具を着込んで思い思いの場所で、だらけたように座っている。どの男も下卑た笑みを浮かべてオレ達の方を眺めていた。


 オレはフードを目深に被ってやり過ごそうとしたけど、すでに村長の息子からオレが類まれな美少女という噂を聞いていたのか、一斉に囃し立て始める。

 聞くに堪えない卑猥な言葉や嘲る笑い声を浴びせてくるが、オレは無視を決め込む。


 いつもなら真っ先に殴りかかるところだけど、こめかみに青筋を立てているクレイや端整な顔立ちが人形のように無表情になっていくヒューが暴発しないように気遣うのに必死だったからだ。


「お嬢ちゃん、だんまりしてないで俺らとお話しようぜぇ」


 お、お前達、そんなに死にたいのか?

 我慢させるのにも限度ってものがあるんだぞ。


「おい、てめえら。少しうるせ―ぞ。静かにしやがれ」


 集団の真ん中で目を瞑って座っていた強面こわもての男が、不意に目を開きドスの利いた声で一喝すると、辺りは一瞬の内に静まり返る。


 団長と思われるその男は、オレを興味なさげに目で追ってから再び目をつぶった。

 さすがに荒くれ男達を束ねる団長らしく貫禄がある。しかも、他の奴らとは違い実戦経験の豊富さを窺える雰囲気も醸し出していた。

 こいつだけは、ちょっと侮れないかもしれない。


 けど、その男のおかげでオレ達は無事、中庭から遠ざかることができたので、双方にとってこれ以上の幸運はないと言えた。



「リデル、何だかご機嫌だね」


 サラが興味深そうにオレを見る。


 オレ達は村長に指示された客間に入って荷物を片付けているところだ。

 オレとサラ、クレイ・ヒュー・ワークと男女に分かれて寝床が用意されており、荷物を置いた後で食堂に集合し夕食を取る予定になっていた。


「え……わかる?」


「うん、はっきりとね」


 先ほどまでのオレは、ごろつき傭兵団のせいで気分が滅入っていたのだけど、これから温泉に浸かれると思うと、次第にうきうきした気分になっていた。

 一方、サラはそれほど嬉しそうな様子に見えない。


「あれ、サラは温泉楽しみじゃないの?」


「嫌いではないが、好きでもない……どちらかと言うと面倒だな」


「そ、そうなんだ」


 ここに温泉場があることはサラが紹介してくれたので、てっきりサラも温泉好きと思い込んでいたけど、そうではないらしい。

 女の人は温泉やお風呂が好きという先入観は間違いのようだ。確かにサラは研究や執筆に熱中するあまり、日常生活は後回しにしそうなタイプに見える。


「ふ~ん、それじゃ食事の支度がまだみたいだから、一足先に入って汗を流してくるよ。サラは少し休んでいるといい」


 浴場は一箇所しかないので、男女別に時間を設けて入ることになっていたので、先に入らせてもらおうと考えたのだ。


「何を言っている。もちろん、一緒に入るさ」


「え、でもさっきは面倒だって……」


「リデルの裸が見れるのだよ。この千載一遇の機会を逃すわけにいかん」


 鼻息も荒くサラが断言する。


「オレ一人で入って来る……」


「ま、待ちたまえ。ほんの冗談だ。本気にしないでくれ」


 オレがジト目で見つめるとサラは慌てて言い訳する。


 まあ、今までだって一緒に着替えしたこともあるのだから、冗談だとは思ったけど、サラの言動って、時たま本気か冗談かわからない時があるからなぁ。


「……わかりました。一緒に行きましょう。ただし変なことしたら、グーで殴りますからね」


「もちろんだとも!」


 サラは勢い込んで肯定した。

 オレとしても、さすがに一人だけで浴場に入るのは心細かったから、細かいことは目を瞑ることにする。

 そして、意気揚々と温泉に向かおうとした時、ノックの音とクレイの声がした。


「楽しみにしているところ悪いんだが、事情が変わった。どうやら、奴らが動き出したようだ」


 オ、オレの温泉でのんびりする野望が……。

恋愛要素少なめ……と思う今日この頃w

当初はラブコメを目指していたはずなのに……。


考えてみると、リデルって女の子になった自覚が、あまりないような気がします。

かと言って、まるきり男の子とは言えないし。

ちょっと中性っぽい感じで不思議です。


まあ、少年漫画の主人公特有の性に疎い感に近い感じなのかもしれません。(全年齢対象ですしw)


P.S.ダイエット続行中です(無理のない範囲で)


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