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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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いざ、山荘……③


「あの~騎士さま。ちょっといいですか?」


「何だ、貴様はさっきから、ちょこちょこと話しかけてきおって」


 フードを目深に被ったオレを胡散臭そうにエルトヴァイトが邪険にすると、たちまちクレイとヒューの雰囲気がガラリと変わる。


「うっ……」


 二人から発せられる殺気にエルトヴァイトは思わず息を呑む。


 やばっ! クレイもヒューもお怒りモードだ。 何で、この二人はオレ絡みになると沸点が低くなるんだろう。


 ホント、こっちが焦ってしまうよ。

 はぁ……仕方がない。やりたくは無かったけど、こういう相手には一番手っ取り早い方法だから、奥の手を出すことにしよう。


 オレはフードを脱いで、ゆっくりと素顔を晒した。


「おま……いや、君は……」


 オレの素顔を見るなり、エルトヴァイトは目を見開いたまま言葉を失った。


「私はリデルと申します。以後、お見知りおきを。さきほどは、ちょこちょこ話しかけてごめんなさい」


「い、いや……そんなことはない。もっと話しかけてもらっても大丈夫だ」


 少し皮肉を言ってみたが、エルトヴァイトは気が動転しているようで全く気づく様子は無い。


「それで騎士さま、真に身勝手なお願いなのは重々承知しているのですが、この家のご主人にお目通りをお願いしたいのです」


 必殺『上目遣い』で、健気な女の子を演じながら、お願いしてみる。


「そ、それは……」


「駄目でしょうか……」


 ちょっとうなだれて見せると、おろおろしているのがわかる。


 うん、情けないけど、可愛い子ぶるのもかなり習熟度が増したような気がするぞ。

 いかんいかん、このままでは女子の嫌いなタイプNo.1の『男の前では豹変する女の子』になってしまう。


「う~む、本当だったら許可できないところだが、君のような女性の頼みを無下にすることはできないな」


 オレが自分自身の行動を省みて深く反省していると、エルトヴァイトはオレの浮かない表情を心配したのか、あっさりと面会を許可してくれた。


 どうでもいいけど、こんなに女性に甘くて大丈夫か、騎士道?


 ちなみに、クレイもヒューもオレが出てくれば、すぐに許可が下りると思っていたらしく、何も言わずにオレに任せてくれていた。

 騎士くん、悪いけど悪いお兄さん達に見透かされているよ。


 結局、門番のラスバルさんが先に屋敷に戻って執事さんにオレ達の来訪を知らせ、エルトヴァイトがオレ達を屋敷まで案内することになった。

 先ほどまであんなに警戒と見下した態度を取っていたのに、今は手の平を返すように上機嫌で話しかけてくる、主にオレに対し……。 


 自分で蒔いた種なので、根気良く相手をしてあげる。

 でも、話をしてみると経験不足や思慮の足りないところはあるが、素直で真面目な青年であることは、よくわかった。


 あと、将来きっと女で失敗しそうなことも……。



◇◆◇◆◇



「……という訳なんだ、ジルコーク殿」


「委細承知いたしました、エルトヴァイト様。では、この方達がお嬢様に面談を希望しているとのことでよろしいのですね」


「ああ、その通りだ。アエルに会わせてやってもらえないか?」


 オレに良いところを見せたいのか、執事に口を利いてくれるらしい。


「残念ですが、それをお決めになるのはお嬢様です。私の口から何も申せません」


「……わかった、でもよしなに頼むよ」


 この二人、社会的地位から見ると使用人と騎士様なのだけど、何となく実際の力関係は逆転しているように見えた。


「申し送れました。私は『ジルコーク・ギューネスト』と申します。この家で執事を仰せつかっている者です。すぐに主に伺って参りますので、こちらで今しばらくお待ちください」


 短めの白髪をびしっと決め、やたら姿勢が良く、細身の身体に執事服をきっちり着こなした ジルコークさんは『ザ・執事』って感じだ。


 見るからに出来る人オーラが溢れ出ている。ちらりと一瞬だけオレ達に目を向けた後、微かに頷いたのがわかる。

 どうやら、その一瞬でオレ達の評価を決定したらしい。


「それでは、エルトヴァイト様。私が取り次ぎに行っている間、こちらでお客様のお相手をお願いします」


「えっ、僕が……いや、私がか?」


「もちろんです。貴方の敬愛する『白銀の騎士』様は、教養が高く話題が豊富でサロンにおいても、他人を飽きさせることがないと聞き及んでいます。エルトヴァイト様にも、ぜひそれを見習って……」


「わかった、わかった。お説教はたくさんだ。ここは私に任せてくれていい」


「それではお願いします」


 まんまと執事さんに乗せられた騎士様はオレ達の接待役として、応接室に残った。


「そう言えば、まだ名乗っていなかったな。私は『エルトヴァイト・オーダイン』だ、よろしくお願いする」


 クレイとヒューがその家名を聞くと揃って反応したので、きっと名のある家柄なのだろう。

 まあ、オレにはまったく興味がないが……。


 向こうが名乗ったので、こちらもサラやワークを紹介することにする。

 そして、騎士くんは執事さんに言われた通り、頑張って話題を振りまくよう努力したけれど、結局盛大な空回りに終わっていた。

未だ、アリスリーゼに辿り着いていないことに、驚きと恐怖を隠しきれない作者です(-_-;)

こ、このままでは三部作が四部作になってしまう……。

とりあえず、今の章は短めに……って、全然短くなってない((+_+))


あの短編、書こうかなと思ってます(現実逃避)

書きあがったら掲載しますが、まだプロット状態なので完成は当分先です。


寒暖差が激しい毎日なので、皆様もお気をつけくださいね。




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