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いつまでも可愛くしてると思うなよ!  作者: みまり
いいかげんにしないと怒るからね!
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決着……③

すみません、誤字修正しました。

「何だね、クレイ君。この娘の代わりに、君が答えてくれるというのかね」


 伯爵の性急な台詞にクレイは苦笑しながら話す。


「いえ、伯爵。そのことなのですが、伯爵はリデルの能力と取り巻く状況から、彼女が只者ではないと確信しておられるのでしょう。それ故に、その身の上にも恐るべき秘密が隠されていると」


「うむ、まさに君の言うとおりだ」


「しかも、恐らく心の内には、すでに明確な答えを持っておられるのではありませんか。それが真実なのかどうか確かめずにはいられないというわけですね」


 クレイの問いかけに伯爵は押し黙る。


 沈黙が肯定を示していた。


「ならばお答えしますが、百歩譲ってリデルの現在の地位ならお話できるかもしれませんが、リデルが何者かという問いには答えられません。それは俺だけでなく、リデル本人だってわからないことです。こいつが何者なのか、それがわかるのは死んだこいつの親父さんぐらいでしょう」


 伯爵は怪訝そうな表情をオレとクレイに向ける。


「ちなみに、こいつの能力のでたらめさは、恐らく伯爵が思っている以上ですよ。ずっと一緒にいた俺が言うんですから間違いありません。それはもうドラゴンでも逃げ出すほどです。でも、こいつって何というか、力に比べて心が追いついていないって言うか……真っ直ぐすぎて不器用で、見ていて危なっかしいんです。一緒に居ると大丈夫なのか心配でならないんですよ。だから、みんなリデルのために何かしてやりたいと思うんでしょう」


「それが君であったり、騎士ルーウィック殿やグビル団長なのだと……」


「ええ、そうです。決してこいつの肩書きのために従っているわけじゃないんです」


 そう言って笑うクレイの表情には、澄みきった青空のように曇りがなかった。

 その笑顔を感慨深げにしばらく見入った後、伯爵はオレの方へ顔向け、ゆっくりと頭を下げる。


「リデル殿、数々の非礼をお詫びしよう。決して含むところがあったわけではない。願わくば許して欲しい」


「別に非礼とも思っていないから、許すも許さないもないよ」


「それはありがたく感謝しよう」


 伯爵は少しだけ後ろ髪ひかれる表情を見せたが、意を決するように言った。


「彼に免じ、君が何者であるか深く問わぬこととしよう…………以上をもって、私からの質問は終わりとする」





 まるで伯爵の質問が終わるのを待っていたかのようなタイミングで、昼食が運ばれてきた。


「誘っておいて申し訳ないが、次の予定が詰まっていて一緒に会食できそうにない。これにて失礼させてもらおう。グビル、後は頼むぞ」


 伯爵は、グビル団長に後を任せると、次の予定のため退出して行った。


「どうやら、気を遣わせてしまったようだな」


 クレイが苦笑しながら呟く。


「え、そうなの?」


「ああ、自分が一緒だとせっかくの昼食が美味しく食べられないだろうと配慮してくれたんだと思うぞ」


「ええ、伯爵様は一見すると豪放磊落で細かいことは気にしないように見えますが、本当は神経細やかな方なのですよ」


 団長が親しみの表情を浮かべながら、説明してくれる。


「とにかく、せっかくのお料理が冷めてしまいます。温かいうちに召し上がってください」

 

 団長の言葉で、オレ達は会食を始める。




 食事が一段落すると、オレは気になっていたことをクレイと団長に聞いた。


「あのさ、あれで良かったのかな?」


「伯爵のことか」


「うん」


「どうだろうな。俺はあれで十分だと思うがな」


「はい、リデル様。私も良かったと思いますよ」


「そうかなぁ」


「ええ、大丈夫です。伯爵様も貴女様の素性については、一応確認でき納得なさっておいででしょう。公にはしませんが、それ相応の対応をされると思います」


「でも、何故バレたんだろう」


「ま、まさか、バレないとでも……」


 オレが不思議そうにしていると、グビル団長は呆気にとられた顔をした。


「白銀の騎士が皇女の護衛についていることは、市井しせいでも普通に聞く噂です。ルーウィック殿があれほど親しげにしていて、貴女のその類稀たぐいまれな美貌なら、誰でも気が付くのが普通でしょう」


 そういや、サラの書いた脚本でも白銀の騎士が皇女を助けていたっけ。

 ん? じゃ、ヒューの正体がバレると芋づる式にオレが皇女であることもバレるってこと?


 ヒューを一行に加えたのは、やっぱり早計だったと今頃になって反省した。



「それにしても伯爵は、神殿へ送った使者の結果も聞かずに行ってしまったけど、大丈夫なの?」


「それはもう構わないでしょう。恐らく、神殿に問い合わせれば、すぐバレるような嘘を貴女がわざわざ言うはずもないと伯爵も思ったのでしょう。貴女の素性もおおよそ掴み、私のリデル様のことを信用する発言も耳にして、ロスラムの一件は私に任せると判断したのだと思います」


「……そうなんだ。じゃ、グビル団長はどうするつもりなの」


「大会運営としましても、ここでの中止は非常に痛い。というより、むしろ勘弁してもらいたいのが本音です。今、このタイミングで止めたら、伯爵の思惑も政策も無に帰し、大会運営は大赤字のため損失を取り返す努力を余儀なくされるでしょう」


 実に切実な顔で団長はオレ達を見やった。


「ですので、ロスラムが訴えを取り下げ、双方の間でいざこざが無かったことになるなら、大会をそのまま継続していきたいと考えております」


 まあ、玉虫色の解決だけど、こちらとしても願ってもない結果だろう。


「そのために、本来なら正午で打ち切る次戦への継戦手続きを一旦凍結し、両者の申し込みを留保している状態にあるのです。この後、ロスラム側と話し合って訴えについて意見を聞き、真偽を正す予定です」


「団長に任せるよ。オレとしてはロスラムと公式戦で決着つけれるなら、何も言うことはないよ」


「お任せください。本来なら逆に訴えることのできるアルサノークがこれだけ譲歩したのです。ロスラム側としても受けざるを得ないでしょう」


 正直な話、ロスラムの連中を公衆の面前で叩きのめしてやれると信じていたからこそ、今までいろいろなことを我慢してきたのに、ここで中止となったら、持って行き場の無い怒りをどこにぶつけたら良いかわからなくなってしまいそうだ。


今週はいろいろ忙しかったので、週末はのんびりしたいです。

いよいよ学生さんは夏休みですね……羨ましいw


今年の夏……も、やっぱり忙しいそうです(泣)

皆さんは、楽しい予定はありますか。


時間ができたら、新作にも取り掛かりたいなぁ(←おい)

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