本の目録
自宅の一室、そこにはうず高く積まれた本の山がある。
本の虫友まで言われていた私が、半世紀にわたって買いあさってきた数々の、とてつもない量の本だ。
ただ、私ももう寿命の尽きる日がそこまで来ている。
ともあれば、これの目録を作り、地元図書館にでも寄附をしようかと思い立った。
「……それで手伝ってほしいと」
伝手を頼り、弁護士と行政書士、さらには引っ越し業者を呼び集めることとなる。
「ああ、よろしく頼む」
友人が代表して聞いているものの、その本の山を前にして二の足を踏んでいる。
しかしさすがは引越しの専門家はさっそく山を前にして登山の準備を始めていた。
それぞれの本については弁護士と行政書士が完全な目録を作成し、寄附までまとめてしてくれることになっている。
結局10時間かかって、数多くの品を整理することができた。
中にはもう絶版となって久しいものや、今や数十万円で取引されるようなものまであったらしい。
ただ、いくつか残しておきたいものを除いて、それらすべてを寄付することに決めた。
本は誰かに読んでもらうことでその存在意義を示すことができる。
それが私が思っていることだからだ。