2/2
魔王城再建計画_part1
崩れ落ちた魔王城の瓦礫を前に、ただ立ち尽くす俺。
黒焦げの石壁からは、まだかすかに煙が上がっていた。
――ここから、どう再建すりゃいいんだ?
そんなことを考えていたときだ。
背筋を氷の刃でなぞられたような、冷たい声が背後から響いた。
「……貴方様が、新しい魔王様ですね。お待ちしておりました」
「ひゃいっ!?」
思わず情けない声をあげる俺。
振り返ると、そこには肌の白い、まだ幼さの残る少女が立っていた。
小柄で華奢な体つきだが、瞳だけは妙に鋭く、言葉に抗えない威圧感を放っている。
「さっそくですが、この魔王城を再建する必要があります。先代からお世話になっている《オークの森建設》にアポを取ってありますので、まずはそちらのプレハブへ」
少女が指差す先――焼け焦げた瓦礫の中に、場違いなほどピカピカのプレハブ小屋が一つ。
……いやいや、絶対に世界観おかしいだろ!?
俺がツッコミを入れる間もなく、少女はズカズカと小屋へ歩みを進めていく。
「ちょ、ちょっと待て!」
慌てて呼び止める俺。
「お前……いったい何者なんだ?」