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ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました  作者: すみ 小桜


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第17話

 「ちょっといいかしら?」


 ランチを一人で食べていると、珍しい方々に声を掛けられた。二人のご令嬢で、桃色の制服だから一年上ね。

 二年次に二人、三年次にも二人。それしか女子はいなかった。だからここに三人集まるだけで注目の的だ。


 それにしても、何の用だろうか。顔を見る限りお友達になりましょうって事でもないようだし。


 「何でしょうか」

 「レオンス様に近づくのはおやめになって」


 おぉ。凄く悪役令嬢っぽい。その制服でなければ、もっと様になっていたと思う。

 レオンス様とは、顔見知りになったので学園で会えば挨拶をするようになった。その程度なんだけどなぁ。


 「ご挨拶をした事しかありませんが……」

 「子爵家なのに、どうしてそういう仲になるのかしらね。いい? レオンス様は、リースお姉様の婚約者ですのよ」


 私は、本当なのかしらと目をぱちくりとする。

 魔法学園に通う私を含めた令嬢は、全員子爵家だった。もちろん私以外は、属性持ちだけど。

 つまりレオンス様は子爵家のご令嬢と婚約していると言うのだ。


 よっぽどでなければない。だって、レオンス様は家督を継ぐと言っていた。婿に行くのではない。まあ婿に行く先としてもないとは思うけど。


 「それは知りませんでしたわ。私はココドーネ侯爵令息の親族で、それでレオンス様と知り合いになったのです」

 「まあ、追いかけて来たのですか」

 「怖いですわ」


 いやいや。私が属性持ちならその考えはありえるもしれないけど、私は無属性なのよ。


 「お会いしたのは、つい最近ですわ」

 「まあ、会ったですって!」

 「なんて、図々しい」

 「もちろん、二人きりではありませんわ。大人も一緒です」


 本当にめんどくさいわね。きっかけを話すのではなかったわ。


 「そう。でも婚約者がおりますのよ、もう近づかないでもらえます?」

 「ご挨拶もダメなのですか?」

 「当たり前です!!」


 え~。無視すれって事?

 朝でなければ、会釈しかしてないというのに。


 「でもそれは、相手に失礼になりませんか?」

 「別に。あなたに挨拶されなかったとして……」

 「どうかした? 彼女、君達に何かしたの?」


 声を掛けられた先輩令嬢が振り向いた。

 そこには、彼女らと同じ色の制服を着たレオンス様が立っている。


 「いえ。えーと……」


 ふと三人を見て気が付いた。

 さっきは気が付かなかったけど、彼女達はレオンス様より4つ上よね。お姉様って事は、婚約者はもっと年上!?


 「ねえ、年上の婚約者がいるって本当!?」


 つい聞いてしまった。だって最低でも5つ年上になるのだから。


 「え……突然なに……」

 「まあ、いやですわ。おほほほ」

 「ここでそんな事を聞くものではなくってよ」


 なぜあなたたちが、慌てるのよ。まさか嘘だったの?


 「嘘だったの?」

 「本当よ!」

 「あぁ。彼女達に聞いたのか。そうなんだ。今年16歳の伯爵令嬢」


 へえ。本当に年上だった。


 「あれ? 伯爵令嬢? 子爵令嬢ではないの? この方のお姉様って話しだったけど」

 「な、何を言っているのよ! 本家のリースお姉様よ!」


 なるほど。親族だけどお姉様って呼んでいたのね。紛らわしい。


 「あれ? でも、貴族学園にも通うと言っておりませんでした?」

 「うん。親にそう言われているからね」


 そういえば、お父様も貴族学園に行けって言っていたっけ。前世で言えば、高校みたいなものなのかな。

 でもレオンス様が貴族学園を卒業するまで結婚を待つとなると、そのご令嬢21歳になってしまうと思うのだけど。

 よく承諾したわね。侯爵家だから逆らえなかったのかしら。


 継母ももしかして、年下と結婚したのかしらね。

 って、先輩令嬢が私を睨みつけている。

 近づくなと言われたのに、親し気に話してしまった。

 それにしても、レオンス様って学園ではそれなりに砕けた口調なのね。


 「えーと。婚約者がいるのに話しかけて、ごめんなさい」

 「構わないよ。彼女達が何か言ったの?」

 「ま、まさか。レオンス様に婚約者がおりますのよって、世間話と言うか。ねえ」

 「えぇ。そうですわ。少ない女同士ですもの。仲良くなろうかと思いまして」

 「そうなんだ。よかった。彼女、私より年下だし女の子だから、大変だと思うから。そうしてくれたら安心だね」

 「えぇ。もちろんですわ」


 あははは。さっき挨拶すらするなって言っていたくせに。

 相手が侯爵令息だからと言うよりは、あのスマイルにやられちゃっているわね。

 末恐ろしいお坊ちゃまだわ。


 「じゃ、またね」


 そう言ってレオンス様は去って行った。


 「あなたねぇ」

 「彼との違いを考えなさいよ。見たでしょ。『B』のバッチ!!」


 二年次からは、バッチを付けている。正確には『C』と『D』以外の生徒がつけているんだけどね。

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