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神々の箱星で  作者: テンスケ
1章 西美濃
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4話 統一歴1216年 初夏 錬成術の段位、町の人々


 初めての山歩きから五日に一回くらいの割合で山に連れて行ってもらえるようになった。四回目の山歩きで初めて熊を見た。遠くから見ただけだったけど、聞いていた通り大きくて強そうだった。爺さまが言うには、手裏剣を投げても刀で切り付けても、硬い体毛にはじかれてしまって、倒すのはかなり大変みたい。命掛けで頑張って倒しても大き過ぎて一部しか運べないし、大変な割に実入りが少ないから、見つけても極力相手をせずにそっと離れるのが一番なんだって。


 そう言われると、今まで爺さまが熊を狩って帰ったことはほとんどなかった気がする。婆さまは、熊の肝が好きでちょくちょく山から持って帰るけど、あれはどうやってるんだろう。前に佐助さんが口にしていた婆さま最強説が真実味を帯びる。

 婆さまに聞いてみたら、強いとはいっても所詮獣だから、近くに動いているものがあるとを本能で目で追っちゃう性質があって、熊の視線をうまく誘導した上で両目を同時に手裏剣で潰せばあとはどうとでもなるって言ってた。説明されてもまだよくわかんないけど、俺もいつかできるようになるかな?


 そんな日々を過ごしていると、梅雨が明けて暑くなる初夏を迎え、錬成術の段位が上がった。いつものように寝る前に裏の蔵にに置いてある岩を寝所に持っていこうとして岩に触れたところで、唐突に頭の中に今までやっていた錬成術の次の段階が頭に浮かんだ。自分で新しいことをひらめくというより、前から知っていたことを突然思い出したというような不思議な感覚だった。急いで家にもどって囲炉裏端にいた爺さまと婆さまにそのことを伝えた。


「爺さま、婆さま、なんか錬成術の次の段ができるようになったみたい。」

「おぉ、もうか!早いの。」

「おめでとう、太郎!早かったですねぇ。」


 爺さまも婆さまに段位が上がったのを伝えると、ぱーっと明るい笑顔になって、すごく喜んでくれた。


「たしかに錬成できる量もかなり増えてましたからねぇ。それにしても、普通は人生の半ばを過ぎたところでようやく段が上がるものなのに。びっくりです。」

「やっぱり毎晩神気を使い切っているのがいいのかの。それとも小さいときから始めたのがよかったのか。とにかく、よかった。めでたい!」

「やっぱり、おめでたいことなの?よかったー。」


 なんか爺さまたちが思ってたのよりずっと早く段位があがったみたい。でも、喜んでくれてるし、早いのは遅いのよりいいよね!


「ほとんどの人は、あんまり錬成することがないから段位など上がらぬまま一生を終えるからの。七歳で段位があがるなんて前人未踏の快挙かもしれん。」

「そんなにすごいの!」

「そうですよ。こんなに毎晩がんばれるような子は、太郎以外にいませんから。自慢の子です。」

「えへへ。」


 ゼンジンミトウがなんだかよくわからないけど、褒めてもらってるのはわかる。毎晩、気を失うギリギリまで神気を練るのは楽じゃないけど、こんなに褒めてもらえるなら頑張った甲斐があった。


「初段の錬成術は、岩を金槌で砕いて鉄鉱石とそれ以外の部分に分ける作業と変わらんからあまり役に立たんが、二段になると鉄鉱石から鉄を抽出したり、海水から塩だけを抽出したりかなりいろんなとこで使えるぞ。ひとまず、二段の錬成術を使って、鉄鉱石から鉄を抽出するんじゃ。練習じゃからいつものように神気を使い切らなくてもよいからの。」


 そういって爺さまは、俺が前に岩から抽出した爺さまのこぶしくらいの大きさの赤黒い鉄鉱石を持ってきて、円の中に正四角形が書かれた紙の上に置いた。二段の錬成陣は三角ではなく四角を使うみたい。

鉄鉱石に手を当てて、神気を込めていくと、鉄鉱石の中でいろんな色が混ざってるように見えた。その中でいちばんたくさん見えてる青い色の部分が鉄だってなんとなくなくわかるから、その青い色の部分だけを抽出するように考えながら神気を込めていくと、つるんとした親指くらいの大きさの鉄のかたまりがにょきっと現れて、ぷつんと切れて抽出された。鉄鉱石と違って純粋な鉄だけでできているのがなんとなくわかる。


「おぉ、うまくいったの。」

「初めてなのに、やり方がわかるのってなんか不思議だね。」

「神様が与えてくれる力じゃからの。ただ、このままの鉄じゃと柔らかすぎるでな。使い物になるようにするには少し工夫が必要なんじゃ。どれ、見せてやるかの。」

 

 そういって、爺さまは錬成陣の上に残った鉄鉱石の上に小さな炭を置いてから鉄鉱石に触れて神気を注ぎ込むと、俺がやったときと同じように小指の先くらいの鉄がにょきっと現れて抽出された。

 

「さて、うまくいったかの。」


 爺さまが、俺の作った鉄の塊を金槌で叩くと簡単にひしゃげて平たくつぶれていった。つづいて爺さまの作った鉄の塊を叩いたが、こんどはほとんど形が変わらなかった。


「全然硬さが違うんだね。」

「そうじゃろ。鉄だけを抽出するんじゃなくて鉄以外の不純物として炭をちょっと混ぜると硬い鉄になるんじゃ。この硬い鉄は鋼と呼ばれておる。」

「へぇ、なんで鉄に炭が混ざると硬くなるの?」

「それはよくわからん。混ぜる物によって鋼の性質が変わるみたいなんじゃが,人によって錬成中の見え方が違うらしい。おぬしは鉄鉱石から鉄を抽出するときどんなふうに見えておる?」


 爺さまに聞かれて、さっきの青い色の部分を抽出した工程を説明した。


「ふむ。わしは鉄の部分は赤色に見えるからの。やっぱり人によって違うみたいじゃの。」

「私には鉄は黄色に見えますけどねぇ。」

「待ってね。もう一度試してみる。」


 もう一度、錬成陣の上の鉄鉱石に手を当てて神気を込めた。やはり青い色が大部分をしめているように見える。爺さまはこれが赤色に見えるのかぁ、鉄は赤なのかなぁと考えて鉄鉱石を見ていると、それまで青く見えていた部分が赤い色に変わった。


「うわっ!赤に変わった。」

「どうしたんじゃ?」

「鉄は赤い色なのかなぁって思って鉄鉱石を触ってたら、それまで青く見えてた部分が赤く変わったよ。」

「暗示よって見える色が変わるのかしら。ちょっと試させてもらえますか。」


 そう言って、婆さまも鉄鉱石に手を当ててじっと神気をこめる。


「たしかに、黄色にみえていた部分が赤に変わりましたね。」

「ふむ、二段の錬成を始める前に最初から鉄は赤いと説明をしておけばみな同じ色に見えるようになるなら、他の人間と錬成の知識を共有しやすくなるかもしれんの。」

「そうですねぇ。みんなで共有しておけば、やり方を伝えやすくなりますね。なんで気が付かなかったんでしょう。太郎の柔軟な考え方のおかげです。」


 婆さまが、頭をなでてほめてくれた。えへへ。

 それから爺さまに言われて、爺さまが抽出した鋼の玉を錬成陣の上において神気を注いで探ると、赤以外に灰色っぽい色がところどころに混ざってるのがわかった。


「赤い色以外に灰色っぽい色がちょっと見えるよ。」

「灰色か、わしにはそれが黒く見えるんじゃがの。」

「これが黒?さっきみたいに黒に変わるかな…、あっ、灰色っぽいとこが黒く変わった。」

「やはり暗示によって色が変わるんじゃの。その黒い部分は炭の成分で、鉄鉱石から鉄を抽出するときに赤い部分だけじゃなくその黒い色の部分を一緒に抽出すると鋼になるんじゃ。ただ黒い部分が多すぎても少なすぎてもだめでな。こればっかりは硬い鋼を何度も見て、割合を覚えて、鋼の抽出を練習するしかない。」

「わかった。がんばる!」


 それから錬成陣の上に鉄鉱石と炭をおき、何度か練習したけど、なかなか爺さまの鋼のように硬い鋼はつくれなかった。何度も練習しているうちに神気が尽きてきたのか眠くなってくる。


「爺さま、婆さま、もう神気がなくなり…ふ、ふゎ~、そう。もう、寝ます。おやすみなさ~い。」


 眠くて倒れそうになったので、二人に挨拶して寝所に行って、横になった。爺さま、婆さまの声がふすま越しにかすかに聞こえてくる。


「太郎の神気はすごいの。二段になったら増えるのはわかってたが、あれだけ量の鋼を抽出できるとはさすがに驚いた。わしは大した量を錬成できんからの、最初の鋼の抽出だけで神気がほとんど尽きかけとる。」

「私なんかあなたよりも少ないですからねぇ。太郎と同じやり方で錬成量が増えるかどうか、佐助が町の人たちに協力してもらってる研究に期待するしかありませんね。」

 



―――――――――――――――――――――――――――――



 その日の日中、町中において、四人の少年たちが、息を弾ませていた。


「兄上…、はぁ…、はぁ、今日も、修練厳しいですね。はぁ、はぁ…。」

「はぁ…、はぁ、源二郎は、まだよい。私なぞ、脚に、おもりを、くくりつけられておるから、足が。思うように、動かなくて、かなわん。はぁ、はぁ…。」


 脚に鋼のおもりのついた布を巻きつけられいる源三郎が、めずらしく源二郎に弱音を吐くと、これに同じように脚に布を巻き付けられた小四郎が、息を切らせながら続ける。


「はぁ……、はぁ…、はぁ、俺なんか…、このあいだ…、こっそりおもりを一個減らしてのがばれて…、はぁ…、今日はおもりを両足に四個ずつつけられれ…、はぁ…、はぁ。」

「はぁ…、はぁ、小四郎、それはお主の自業自得だ…。はぁ…、はぁ。」


 源三郎が返すと、一人、呼吸に余裕がありそうな五郎が軽口をたたいた。


「まったく、兄者もズルをするならもっとうまくやらないと。」

「はぁ…、はぁ…、五郎、お前、なんで、そんな余裕が、あるんだ…、はぁ…、はぁ。」

「ま、まぁ、それは、普段から真面目に修練してるからね。体力がついてきたんじゃな…」


 軽口をたたき続ける五郎の背後から、音もなく大きな影がぬっと現れて凄みのある低い声を出した。


「五郎!」

「ひっ、さっ、佐助さま!そこにおられたのですか。」

「見てたぞ。お前、途中で道をそれて近道しただろ!」

「えっ、えっと、あれは近道というか、最短経路というか…。」


 五郎がしどろもどろになりながらも、なんとか佐助の追及を回避しようと言い訳を言い始めるのを、佐助が遮る。


「最短経路とな。難しい言葉を知ってるじゃないか。」

「いや、それほどでも…。」

「では、お前に新しい言葉を教えてやろう。シンショウヒツバツという言葉だ。」

「そ、それはどういう意味の言葉で…。」

「信賞必罰、手柄を上げたものには必ず賞を与え、過ちを犯した場合は必ず罰を与えるという意味だ。情にとらわれずに厳正にこれを行うことがまつりごとの正しき道となる。」


 五郎が、言葉の意味を思い巡らせ、嫌な結果に行き当たる。


「と、言う事は、この場合は…。」

「そうだ。厳正に罰を与える。五郎はもう2周、町を周回するように。」

「げ、げぇ~」


 息の整ってきた小四郎が、顔を引きつらせる五郎を笑いながら罵った。


「ははっ、ざまぁ、ズルをするからだ!」


 そんな五郎に対して、佐助はニヤッと笑った。


「小四郎、お主にもいい言葉を教えてやろう。連帯責任という言葉だ。」

「レンタイ…、セキニン…?」

「一人だけに罪を背負わせるのではなく、その者の仲間がともにその責任を負うという仲間の結束力を高める麗しい行動のことをいう。この場合は…、わかったよな。」


 3人が、その言葉の意味することに思い当たり、顔を青くする。


「「「げ、げぇ~」」」

「その通り、全員であと二周走ってこい。もうズルはなしだぞ。」


 結局、他の三人もとばっちりを受けることになった。


「いや、俺らはもともとズルしてねぇって…。」

「是非もなし…。」

「兄上は、あきらめが早すぎる…。」

「よし行ってこい!」

「「「「ひぃ~」」」」




 その日の夜の夕食後、喜兵衛の屋敷の四人の寝所で、小四郎が満腹になったお腹をたたきながら、満足げにしゃべり始めた。


「今日の夕飯はうまかったなぁ。猪肉と生姜を合わせるとあんなに美味しくなるなんて知らなかった。猪の獣臭さが生姜の香りで消えただけじゃなくて、肉の脂の甘さが際立って、あぁ、俺は毎日夕飯はあれでいいや。」

「小四郎氏は、美味しいものに目がないですね。でも、毎日猪肉だと、小四郎氏の大好きな鶏肉が食べられなくなりますよ。」

「源二郎、それは困る。やっぱり鶏肉と猪肉を毎晩代わりばんこにしてもらおう。」


 五郎が、やれやれという顔で、食に貪欲な兄をなじる。


「猪肉は山で獲ってきてもらわないといけないし、鶏も農家で育ててるとはいってもまだまだ貴重だから、いくら兄者が好きでも、しょっちゅう食べるは無理だよねぇ。」

「ふむ。山中で暮らす太郎はすでに単独で猪を仕留めるそうだぞ。それも、おぬしら二人と同じ七歳だそうだ。」


 源三郎が太郎の話題を振ると、源二郎がそれに反応した。


「あっ、そういえば、佐助さまがそんなこと言ってたね。猪だっけ?兎じゃなかった?」

「どちらだったかな?狩りがうまいだけではなく、錬成量を増やす方法を見つけたのも、太郎殿らしい。」

「本当ならすげえけど…、太郎氏は俺らの修練なんか比べ物にならないくらい毎日山道を駆け回ってて、手裏剣も百発百中とか言ってたからな。ちょっと噓くせぇや。」


 太郎のあまりに出来すぎた話に、小四郎が苦い顔をし、五郎は何やらつぶやきはじめた。


「本当に、七歳でそんなことできんのかな…?なんかズルしてるんじゃねぇの…。」

「佐助さんの目を欺くくらいズルが上手なら、一度、その上手なズルの仕方を俺にも教えてくんないかな…。」

「二人とも、まだ懲りてないのか。もう『連帯責任』はごめんだぞ。」


 源三郎が呆れた顔をして2人をたしなめると、五郎が昼間の小四郎の声色をマネてつぶやく。


「レンタイ…、セキニン…?」

「ぶっ!五郎、小四郎氏の真似をして、誤魔化してもダメですよ。連帯責任を逃れるための、『内部告発』という方法をさっきの手習いで習いましたからね。」


 源二郎が笑いを堪えつつ五郎をたしなめると、今度は兄弟で声を合わせる。


「「ナイブ…、コクハツ…?」」

「くっ!小四郎、五郎、二人してとぼけても無駄だ。とにかくもうズルはなしだ。さっさと錬成を終えて寝るぞ。」


源三郎も笑いをこらえつつ、錬成陣の書かれた紙を取り出し、錬成の準備を整えていった。その後、それぞれ小指の先ほどの量の鉄鉱石を錬成したのち、四人並んで床についた。




―――――――――――――――――――――――――――――



 同じ頃、領主の執務室には、半兵衛、喜兵衛、佐助の3人が集まっていた。いつも能面のように無表情な半兵衛が、佐助が提出した錬成量の増加を調べた調書を読みながら静かな声で佐助に尋ねた。


「四人とも順調に錬成量が伸びているようだな。この半年で八倍ほどになったということは、山にいる太郎と同じで二カ月ごとに二倍ずつか。」

「はい。町の者にも色々と試させたところ、十五歳を過ぎたあたりから錬成量が伸びにくくなり、二十歳を過ぎると錬成量がほとんど変化しなくなるようです。ひょっとすると身体の成長時期と何か関係あるのかもしれません。他には、男女による差異はみられず、女児でも子供であれば源三郎たちと同様の変化が見られました。」

「子供の食事の量によっても違いあるみたいだな。朝晩しっかり食べている子の方が錬成量の伸びがよいようだ。他にも何か分かったことはあるか。」

「はい。錬成をしないで一日を過ごして寝る前に一気に神気を使いきるような錬成した場合と、一日の間で何回かに分けて錬成を行って、寝る直前に神気がなくなるように錬成した場合では、どちらも錬成量の伸びに違いはありませんでした。」

「ふむ、興味深いな。喜兵衛殿はこれをどう考える。」


 半兵衛の問いに、しばし目を閉じて考えた後、喜兵衛がゆっくりと話し始めた。


「就寝している間、身体や内臓が成長するときに神気を蓄える器官が一緒に成長していくと考えてはどうでしょう。大人になった後は身体も内蔵も大きくはなりませんしな。ただし、食べているものの養分が足りないと、その器官の成長させられなくなると考えると辻褄が合いそうです。たくさん飯を食べて、身体と神気を成長させるのに十分な養分を蓄えておけば、寝ている間にその器官が少しずつ成長していくのでは?」

「ふむ、錬成の為の神気を蓄える器官か。とりあえず『錬臓』(れんぞう)とでも呼ぼう。その錬臓が本当にあるのかどうかはわからないが、あると考えてさらに研究を進めることとする。佐助、これまでに栄養が足りていなかった子供に十分な食料を与えて変化があるか見てくれ。また、大人も鶏肉や卵など滋養にいいものをたくさん食べて変化が出るか試してみよう。もともと腹いっぱい食べていた者では変化がわからんから、食うに困っていたものを中心に行うように。」

「かなりの費用がかかることになりますが…。」

「いや、研究のためだ。仕方がない。」

「「(眉が上がった。これは嬉しいときの仕草!)」」


 喜兵衛、佐助らが無表情のまま眉がグイッとあがった半兵衛の顔を興味深げに見つめる。その反応を楽しみながら、佐助が提案した。


「大人で試すなら、半兵衛様自身で試してみられてはどうですか?こういう研究大好きですよね。」

「それは…、そうだが…。」

「これ、佐助。半兵衛殿には夜には夜で大切な営みがあるから、錬成して眠ってしまうわけにはいかんのじゃ。察しなさい。(チラッ)」

「や、これは失礼申し上げた。(チラッ)」

「……。もう寝る。」

「「おやすみなさいませ!」」


 半兵衛は、すまし顔のまま、顔中を真っ赤にして耳をピクピクさせて、そそくさと妻女の待つ寝所へと向かった。


「ちと、からかいすぎたかの。」

「ですね。これは…、報復が怖いですね。」


 報復を仕掛けられる前に、半兵衛の機嫌を良くするべく、残った二人で研究という名目の貧民対策について話し合うことにした。



※半兵衛は、恥ずかしいとき耳がピクついて顔中が真っ赤になります。


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