エピソード2 天才暗殺者としての過去
幼少期、美奈は施設で育った。愛情を求める孤独な日々の中、14歳のときにとある男と出会ったことによって暗殺の世界へ引き込まれることになった。その男は、美奈の潜在的な才能を見抜き、彼女を秘密の組織に誘ったのであった。そして、彼女はその血なまぐさい世界で瞬く間に「天才暗殺者」としての名を馳せていった。
数々の任務を成功させ、名を馳せる一方、心の奥底にあった孤独感からは解放されずにいた。彼女は、任務を遂行するたびに自分の中にある冷徹な部分を強化していったが、その反面、愛情を求める心はますます深い闇へと沈んでいった。そんな彼女の人生を大きく変えたのが達也だった。彼との恋愛を通じて、美奈は初めて心から愛し合える相手を見つけた。達也の優しさと穏やかな笑顔は、彼女の心の隙間を埋める存在となった。
達也と過ごすうちに、孤独感は消えていった。彼との結婚を決意したとき、美奈は自分の過去を完全に断ち切り、新しい生活を始めることを決めた。達也のおかげで今の自分がある。彼と共にいることで、過去の暗い記憶を忘れることができた。しかし、彼女の心の中には、暗殺者であった自分を知られたくないという強い思いがあった。もしも達也が、自分の過去を知ったら、この今の生活が壊れてしまうかもしれない。エゴだとはわかっていても、その恐れは、美奈の心を常に締め付けていた。
夜が訪れ、達也がぐっすりと眠る中、美奈は彼に口づけをした。その瞬間、彼女の心には愛情と同時に不安が渦巻いていた。達也の寝顔を見つめながら、彼女は彼を守るために何ができるのかを考えた。
もし、達也が、暗殺に手を染めているのならば、私が止めなければならない。今度は私が達也を助ける番だ。美奈は心の中でそう決意した。そして、愛する夫を守るため、そして自分自身の過去と向き合うために、再び影の世界へと足を踏み入れる覚悟を固めた。