Eps4.これから
しばらく時間が経ち、少女も落ち着きが戻ってきたのか、泣くのをやめ俺と話せるようになっていた、
「・・・う。ぐす・・・、すいません、みっともない姿を・・・」
「いや、全然そんなことは」
頬を赤らめ少々恥ずかしそうにしている様子に内心かわいいなと思ってしまう。
「あの、魔獣から助けていただきありがとうございました。私、リリィ・フローレスと申します」
「魔獣?」
聞きなれない単語に首をかしげる。
「その鎧、見たことがありませんが、先程のダオロス(神聖な光)、さぞ、名のある騎士様かとお見受けします」
「????」
このリリィという少女が喋っている内容が理解できず、頭に疑問符しか浮かんでこない。
「もしよろしければお名前をお聞きしても宜しいですか?」
分からないことだらけで頭がついてきていないが、まずは、何か情報を得ようと思い、会話をしようと決めた。
「俺の名前は頼本信人って言います。いきなりで、申し訳ないんだけど何個か質問してもいいかな?」
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「ラナンキュラス地方?」
成り行きで助けることになった少女リリィにここかどこか尋ねると全く聞いたことがない地方の名前が言われる。
「魔獣ってさっき襲われていた?」
「はい、ギャフィルアの群れに襲われてしまい、危うく、命を落とすところでした。ヨリモト様のおかげで一命を取り留めることができました。本当に感謝しきれません」
「え!?い、いや、そんなに頭下げなくて大丈夫だよ」
何度も頭を下げてお礼を言われ、流石に気恥ずかしさが生まれてくる。そもそも、考えなしに飛び込んだので、一歩間違えると自分も危ない状況だった。
「それより、ダオロスって、体から出てた光のこと?」
「はい、聖騎士様か修道院の方たちしか使うことができない魔法なのに、あれだけの威力、ヨリモト様はどこ国の所属なのですか?」
「え、ええと・・・」
どこと言われても、こっちが困る。話していて分かった情報を整理して分かったことは、ここは日本ではなく、なんか魔法とか騎士とかが存在するということ、何のファンタジーだと思うが、信じるしか手立てがないので、内心の疑問を口にしないように、ぐっとこらえる。
改めて彼女の姿を見る。ブロンドの髪をポニーテールでまとめ、顔は幼さが残るが、とても可愛らしい容姿だ。とても日本人のような容姿ではなく、海外の人のように見える。
服も見てみるが、まず日本で見ることがないような格好で、靴は登山でもするのかという革製の厚手のブーツ、服はゲームの世界で見たことあるような格好で、その上に茶色のマントを纏っている。ここが日本ではないことだけはよくわかった。
(なんて言おう・・・)
「ヨリモト様?」
答えを言い淀む俺を不思議そうな顔で見てくる。
「実は、俺、記憶がなくて・・・」
何か答えなくてはと思い、思いついたことをそのまま口にする。さすがに無理があるかと内心思ったが
「何てこと!?それなのに見ず知らずの私を助けて下さるなんて、なんと、高潔なお方!!」
リリィは、俺が言ったことを信じ、同情してくれる。流石に、純粋過ぎないかと心配になった。
「それなら、私と一緒に帝都に行きませんか、ここから、もうしばらく歩いていけば着くはずなので、記憶を取り戻す方法が見つかるかもしれません」
「帝都?リリィは、そこに旅をしている途中だったの?」
「はい。途中の町に着く道を間違えてしまい。迷子になったところを襲われたのですが、運がよかったです」
「そうだったのか。でも、流石に迷惑じゃないか?見ず知らずの俺と一緒は」
「そんなことないですよ‼これも助けていただいた恩を返すためでもありますし、気にせずに行きましょう‼」
なんていい子だと思い。心がジーンとしてくる。
(こんなあったかい対応されたの久しぶりだな)
仕事のことが頭によぎり思わず、胸が苦しくなる。正直、知らない場所で、自分一人という状況で、この申し出はありがたい。少々、悪い気もするが、
「ごめん、よろしくお願いします」
ありがたくこの申し出を受けることにした。