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第八章 所詮は劣等人種
私の部下を奪われてから一週間……。
憎しみは消えない……。
兄のエーリッヒ・フロム・ゲートが見舞いに来てくれた…。
兄貴が来てくれただけで、変わるものはない……。
「畜生……。畜生……。畜生畜生畜生…。」
自分が座っている椅子の近くにある机を叩いて…。独り言を言う。
看護師や他の患者に冷たい視線を見られながらも無視するしかない……。
運命というのは逆らえない……。
あれから数ヶ月が過ぎた…。
「大佐……。最近のユダヤ人の粛清リストです」
「ありがとう……。珈琲を入れてくれないか?」
「わかりました…。大佐」
あれから数ヶ月………。
アイヒマンの葬式が終わり…。数週間…。
エリカはまだ見つからない……。
本国でも私の件は、話題になった…。
そのおかげでアメリカ国家弁務官区の職員も増えた。
エリカ…。君は1945年のときであった…。
エリカなのか?。
これを考えるのはやめたほうがいいと思うが
やめられない…。
同僚に話したら…。恋なんだと言ってきゃがった。
まぁ…。そうなのかもしれない……。