第七章 アメリカにて、
1951年 5月14日
ゲルマニア空港から飛び立ち、アメリカへ
やってきて、6日が経った。
今は私は護衛の車の中にいる。
「大佐殿、国家弁務管区ビルまではあと30分で付きます。」
「ありがとう…、軍曹」
「いえ、大佐殿…。感謝されることはしておりません…。何やら前から車が」
そういった瞬間、前にいる車が急停車し…。
荷台にいた男たちがこちらを向き、トンプソン短機関銃を発砲し始めた。
「ヨアヒム大佐…、エリカ…、」
アイヒマンが私とエリカを庇い銃撃を受ける。
軍曹は発砲し始めた時、窓から撃ち込まれたため、即死だった。
アイヒマンから出た血が私とエリカにかかる。
私はドアを開け、撃ちやめるのを待つしかなかった…。
「私は、応戦する。エリカ…。君はここで待っていてくれ…。」
その時だった…。手榴弾が飛んできて爆発したのだ…。
私は意識を失った………。
次に目覚めたのは病室……。
左手の感覚がない…。左眼が開かない…。
右手……、感覚がある……。
右目が開く………。
私はどうやら…、先の爆発により左目…。左手…。左足を失ったようだ…。
医師がやってきて…。話を受けた。
エリカ・ブットシュテットは行方不明と…。
あぁ…、今日だけで部下を二人と…。隊員1人が犠牲になった…。
この事は一生をかけて恨むことになるだろう……。