迷宮生物《モンスター》と、その危険度分類法
危険度分類法とは、迷宮生物の最も基礎的な分類方法であり、〈冒険者〉の間でもメジャーな学術的要素の低い分類方法である。
迷宮生物の戦闘力や環境干渉力を指標に危険度という単位を用いて分類する手法で、明解且つ単純で実用性が高く〈冒険者〉の冒険の手助けになり得るが、〈冒険者〉の等級に左右されるので高級冒険者にとってはアテにならないという欠点を有する。
本項では、そんな危険度分類法について述べようとおもう。
危険度★(安全)
脅威度が低く危険性の少ない迷宮生物が分類される。ただし時期や、行動次第では危険性が高くなるので警戒する必要がある。
危険度★★(要警戒、初心者殺し)
戦闘能力が高く警戒が必要。対策法を知らないまま戦闘を行うと死亡する可能性が高くなるので"初心者殺し"とも呼ばれる。
危険度★★★(危険)
戦闘能力が極めて高く、ベテランでも危機に陥る可能性が高い迷宮生物が分類される。不意打ちでの遭遇は、死亡率が高い。また、毒を有するモノが多い。
危険度★★★★(致命的)
戦闘能力が著しく高く遭遇そのものが致命的な迷宮生物が分類される。
後述する幻獣種が分類される最低危険度であり、大抵の迷宮生物に厄介な能力が備わっている。
危険度★★★★★(天災級即死レベル)
存在そのものが致命的で、遭遇自体が死を意味する迷宮生物が分類される。A級以外で、対処するには大規模な討伐隊が必要とされるレベルの危険度であり、外部に出ようものなら一国が焦土と化すと言われている。
これに分類されるすべての迷宮生物が即死クラスの能力を有している。後述する魔獣種が分類される最高の危険度である。
危険度★★★★★★(災厄、天変地異レベル。生きた災害)
天才の化身、死の具現者とも称される迷宮遺跡最強の存在。全種類が幻獣種であり、その強さは竜類最強の『龍』がすべて分類されていると言えばわかり易いだろう。
その力は強大で、大自然を体現したかの様な、天災と呼ぶに相応しい絶大なる威力と規模を有する。
A級にとってさえ致命的足り得る存在で、単独での相対は死を意味する。【階層守護者《ボス】と呼ばれる迷宮生物もここに分類される。
あくまでこれは、〈冒険者〉にとっての指標であり、一般人にはどれもが致命的な存在である。また、環境や時期、あるいは生息する迷宮遺跡次第で危険度は大幅に変動するので、あくまで一般的な指標であると割り切ることが〈冒険者〉には求められる。