クソ女が。子供や孫までで差別する。死んでしまえ。
「あんた、神様かい?」
突然のレジェンド様からのブッコミに戸惑っていると、清楚さんがコントの腰をぼっきり折って、必要な方向に話を誘導しようとしてくださった。
「モンスターバスターアドベンチャラーの神様に、こちらの転生者さんの受け入れの可否を問い合わせているところです」
「東海林太郎さんが、想像妊娠?」
さすがレジェンド様、コントへの直進安定性が半端ない!どんなセリフも、想像妊娠に聞き間違える、往年の技のキレ。これはヤバい。これじゃ若い嫁さんもらった方のレジェンド様も転生してしまう。早く何とかしないと。
「神様はなんて?ゆっくりいってください。ゆっくり言ってもらえばわかりますんで。」
「回答は、こちらのとおりです。」
と、清楚さんは、アルゼンチンバックブリーカーの様にド派手に、コントの腰を痛めつけて、例の宿帳の最後のページを見せてくれた。音柱なの?
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モンスターバスター アドベンチャラーサポートです。
この度は、ご報告の件につきましてご迷惑をおかけしており、
誠に申し訳ございません。また、調査にお時間をいただいて
おりますこと、お詫びいたします。
本件につきましては、現在調査をさせていただいておりますが、
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ご迷惑をおかけしている中、誠に申し訳ございませんが、
今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。
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株式会社キャプコム
キャプコムお客様相談室 モンスターバスター アドベンチャラーサポート
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うーん。テンプレート感、満載ですな。というか3段落と4段落の間の隙間、おかしいでしょうが。普通、ここに具体的な対応状況が書かれるよね?それ書くためにテンプレートには隙間が作ってあるんだよね!まあ、普通にゲームのユーザサポートに「おたくのゲームに人を送り込むけどいいよね?」って質問来たら、一旦、相手のガイジが冷静になるまで、間を開ける作戦にでるよな。そういう空気がブーブークッションより大きな音で出てますけども。
「毛じらみがなに?年は取りたくねーもんだなぁ。しょんべんはちかくなるし。老眼で見えないので、ゆっくり教えて下さい。ダメって書いてあるの?」
「ダメとは書いてありませんね」
おや?会話が噛み合ってないぞ。このまま行ったら、内閣総理大臣並に救われない感じになりそう。身の危険を感じて、僕は二人の会話に割って入った。
「良い、じゃなくて、このメールは、しばらく待ってください、ですよね。というわけで、正式な回答がくるまで、ここで待たせていただいてもいいですかね?」
しょうがないわね、という苦笑いをつくった清楚さんが、僕の顔をみて引きつった笑顔になって、すぐに背中を向けてしまった。怖くなった僕は、清楚さんに縋り付くようにしながら叫んだ。
「これ、許可じゃなく、保留ですよね。そもそも、そういう問題じゃなく、サービス終了されたら困るので、別のソシャゲにしてください!!」
清楚さんは、僕の髪の毛を見るようにしたまま…。ん?僕の髪って…え、ベタベタする!整髪料!?というか、長くなってオールバックになっている!完全にクワマンやん!これはヤバい。レジェンド様パワー、パない。このままでは、清楚さんにガチられる!
「転生者さんの、旅立ちの儀をお願いします!こちらの回答の載った神器に、お力をお願いします。神様!」
「あいよ。」
くー。レジェンド様のコントへの直進安定性に太刀打ちできない僕は、やはり子供の頃の最高の楽しみだった、あの番組で見たとおりに叫ぶのだった。
「聞こえてんじゃねーか!」
もう、なにぽよでも良いから、堀田様というかタピココ様に引退されられる前に、僕をかわいいって言って!可愛そうだなって言って!!