ネームバリューがあっても、一年持たないソシャゲもあるんですよ!
ということは、俺もヒゲをはやしていたから、ここに呼ばれちゃったっていうことか…。例のウイルス騒ぎで会社が休業になったのを良いことに、ヒゲ剃るのやめてたからなぁ。剃ってるときは、毎日剃らないと不精感でちゃうけど、伸ばしてると一週間ぐらいは行ける気がするんだよなぁ。幸いにして、俺は嫁に一切課金してもらえないため、髪もパナソニックではなく「ナショナル」のバリカンで、がーってやって丸坊主なので、清楚さんも安心していただきたい。
「ところで、僕はどちらの世界に転移するんですか?」
「今ちょうど、この神器で相手先の世界の神様に受け入れの可否を確認してるところなんですけど…。」
と、先程の時代劇の宿帳的な何かを掲げながら、
「モンスターバスターアドベンチャラー、ですね。こちらに来られる直前も、楽しまれてましたよね?」
と満面の笑みで答えれられてしまえば、あまり強い言葉では否定できないのだが、アドベンチャラーって例の「禁じられた一狩」以来、評判が悪いんだよなぁ。1ヶ月毎に、各武器種をよりよく使うためのお守りが出て来ていて、武器種が15種類だから、ちょうど今月で終わりだよな。ってみんな思ってたら、しれっと今月のモンスターからドロップする装備に、来月用の耐性がついてたんですよね。攻略サイトの掲示板にも、怒っている人と、悲しんでいる人が半分づつぐらいで、例えるなら、警察に捕まるべき犯人がいるタイプの事故に巻き込まれた人のお通夜状態とでも言いましょうか…。
念の為、清楚さんに質問してみました。
「もし…なんですけど、このソシャゲが終わっちゃった場合、どうなりますか?」
「あ、大丈夫ですよ。映画の世界に旅立たれた方も多いですが、2時間の枠で生きているわけではないですから。誰かが何処かで、その映画を再生し続ける限り、その映画の世界は存続しているんです。画面に写っている・いないに囚われては居ないみたいなんですよ」
「ソシャゲの場合、運営さんがサービスを止めてしまった場合、プレイヤー全員のスマホでプレイできなくなるんですよ!」
「え?ゲーム機に、ソフトをいれれば、いつでも楽しめるんじゃないんですか?」
「ソシャゲって、ネットを通じて運営さんがもっている、でっかいゲーム機をみんなで使っているイメージですかね。」
「ん~。まだ例がないのでどうなるかわかりませんね~。こちらの神器を一つお渡ししますから、時々連絡してください。これまでも何人かの方にお渡ししてるんですよ。先日、3人の彼女のうちの一人とお付き合いをするという有名なゲームの世界に転生された方から、『障害が起きて、彼女との写真が全部消えちゃったんだよ~。』って、連絡もらってます。」
うーん。何プラスなのかは解らないけども、8月5日14時まで、ここで待っていれば、答えが出るような気がするなぁ。社長がゲーム作ってるの恥ずかしいって思ってる会社は、パない。どうせサービス終了だし、データ消えてもどうでもいいでしょ、っていう対応こそ恥ずかしいって思いますけどね。