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君へのラブレター(仮)  作者: 時雨
はじまりの映画
2/17


「あの、てっきり断られるかと思ってたから」

「なんだそりゃ」


あまりしつこいのも嫌われてしまいそうだから、よかったと素直に喜んで、日程を決めようと自分に言い聞かせていた。

実は私は最近会社の近くに引っ越してきたばかりで、まだ住民票の手続きなどが終わっていなかったので、次の金曜日に有給を取り、半日で終わらせようという計画を立てていた。平日に休みを取って、市役所や警察署だけじゃ味気ないから、この日に2人で有給取って行かない?と誘ってみたら、これまたOK。こうもとんとん拍子に行くといつか転びそうだ……。ただ2人で1日休みにすると怪しまれるかもしれないので、彼は午後半休にしてくれた。


金曜日の前日、「この電車に乗るから、昭島駅で待ち合わせしよう」と彼からメールが来ていたので、私は即座に返信した。電車に乗らなくても大丈夫!車で迎えに行くよ!と。ただし自分の車は持っていないので、母親の車を借りることにした。(今となってはもう売ってしまったLIFE)普段はそこまで運転しないのだけれど、まあ一応仮にもデートになるんだし、お姉さんぶりたいのだ。(私は本物の4人兄弟の姉である)


 一人、市役所の中で待機していると、どうにも時間が経つのが遅くて欠伸が出てしまう。つるされたテレビの中に、自分の受付番号がいつ出るかわからないので、下手にイヤフォンで音楽も聴きずらい。こういうときは小説を読むのに限る!そう思って1冊かばんに忍ばせていた小説。だけどなぜだろう、読もうとしたときに目を通すと途端に眠気が……。

市役所の用事が終わったので、次は免許書の書き換えのため警察署へ。ここの警察署の駐車場小さいから、嫌なんだよなぁ。普段警察署なんて行かないので、なんだか新鮮な気持ち。ここでの手続きが終われば、引っ越し手続きはすべて完了だ。


 目的地に車を停車させて、メールを送る。少し待ち合わせ時間より早く着いてしまった。(一応言っておくが、楽しみで仕方がなかったわけではない……)待っている間に前髪を触ったり、歯に口紅がついていないかチェックをしたり……、そんなことをしていると、彼が小さく手をあげて向こうから小走りでやってきた。

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