反抗期妹はツンデレ
『バカが!お前が気絶したら、僕はこの世界で動けんじゃないか!……まぁ、この間は、お前に関しない事柄の決裁に使えるから良いが、あまり細切れは困るからな。直、これは努々忘るるなよ!』
がなるだけ、がなると、目の前で、ブーメランパンツにグラサンの小僧が、背もたれを倒したデッキチェアにポテッと横に成った。
真っ暗な中で、ここだけは、スポットライトがあたったように、丸く明るいんだよな。
ジネン、ここは何だか、神様の座す場所のミニチュアみたいだな?
箱庭的な?
返事がないな。
……………………
返事がないどころか、スーピースーピー、寝息が聞こえる気がするぞ?
寝てんじゃねぇか?
さて、どうすべ。
「直ぉ!直ったら!起きなさいよ!」
あ?
聞き覚えがある、このガサツな声は!?
バシン!
熱い!
左のほっぺたが熱い!
バシン!
痛い!
右のほっぺたが痛い!
「何すんだよ!」
叫んで、起き上がったら、世界が元に戻った!
目の前に、大浜の叔父さんの顔だ。
その横に、りょう姉の顔も。
正面から、サナが、泣きながら見つめてる。
サナは、才谷沙凪だ、2学年下のガサツな妹。
外見、中2んなっちまった、俺と違って、正真正銘の中2で、反抗期真っ只中だ。
「直陰兄だけじゃなく、直まで死んだかと思っちゃったじゃない!心配させないでよ!!」
頬を膨らませて、プイッとサナは横を向いた。
「直も悪気はないのよ。直陰が亡くなったのを知って、気が動転してるのよ」
りょう姉が、サナに話しかけてる。
「……父さん」
大浜の叔父さんを呼んでみた。
俺の名字が大浜で、ジネンが、俺は元の俺の直陰の従兄弟って設定にしたんなら、この大浜の叔父さんが父さんだろうからな。
「直柔は寝惚けたか?おれは平八だ。へーちゃんだろが!直柔は兄さんの子だろう?直足兄さんの!」
直足?大浜方の叔父さんは、このへーちゃんだけなはずだが?