しくしく、何でだよ
泣ける。
何で、朝から自分のを、洗面所で洗わなならんのだ!
生暖かい目で、顔を洗いに来た朗兄に視られてる。
もらったトランクスはサイズ大きめで、その上はハーパンの俺にはスースーする。
仕方なくハンドソープで洗ったのを、良く水ですすぎ、きつく絞る。
「かせ、オレの部屋に干しとくから」
「さーせーん」
朗兄にバッチい物みたいに、洗濯バサミで、つままれたのを見て、また泣きたく成った。
何で朝からこんな目に!
ジネぇン!
<ありゃ、切迫した危機ではねぇだろがよ?>
昨夜ん内に、ちゃんと処理出来てたら、こんな事には成らなかったぞ!
<どうせ、夜一回くらい処理したところで、即次が、又次が、で、朝起きたら、全く同じ結末だったろがよ。経験則から導きだした、それが中2の生体なんだろがよ?>
ジネンに言われた。
うッッ、同じような事をジネンに言ったような記憶があるぅぅ!
完敗だ。
うぅぅ。
涙で、部屋に戻る朗兄の背中が滲んで見えるぅ!
「直くん、直兄の為に、泣いてくれてんだ」
突然かけられた声は、サナのだ。
いや、この涙は、違う……と言える雰囲気じゃねぇよコレ!
「ごめん、俺、男なのにめめしくて」
うぅぅ、これじゃ嘘つきだ。
でも、俺が死んで気落ちしてる妹に、そうはあたれないだろがよ!
<今は従兄妹だ、是非とも番の相手にしろ>
ジネンはバカか!妹相手に、そんな気になれるか!