げんなりしちゃうよ
「遅かったな。狭い風呂場は嫌だったか?」
首まで湯船に浸かった、朗兄が言う。
「大丈夫」
軽く言って、さあ、ざっと身体でも洗おうかな。
『さっきの状態はチョッと物理的に刺激してやれば、通常態になるぞ?』
ジネンはバカか!中2の生体がチョッとの物理的刺激だけで、通常態に成るか!
即次が来て、又次が来て、長々と刺激するはめに成るんだぞ!
俺は、2年前に経験済みだ!
それから、これからは直に顔に生暖かい物体を押し付けるのは勘弁してくれ!
『大丈夫だ。いざって時じゃないのに、ああなってしまうと、さっきの事がフラッシュバックして来るように、書き換えた。時期が来て、あぁいう事が収まれば、また書き換えるから安心しろ』
フラッシュバックする!!
はっきり言って、それはトラウマ認定だろがよ!
『そうかもしれんが、世界の理からしたら、些細な事だろがよ』
俺の人生からしたら、かなりの事だぞ!
『じゃぁ、書き換えるから、朗の前で存分にさっきの状態を晒してろ』
ジネンがスマホの画面をかえた気がする!
待てぃ!!
しなくていい!
いえ、書き換えは、今、しないでください!
「どうした?」
あ!
朗兄に不審がられたか?
「シャンプーが……」
ごまかしだ。
「うちのはリンスインシャンプーだからそれだけだ」
この流れだと、頭を洗わないわけにはいかなくなったな。