どうしたもんだろね
ここは才谷本家の母家の2階。
その和室に通された。
うん、暑いな。
クーラーを点けないと居られないレベル。
ポチっ。
冷風は良いなぁ。
「オレの布団もここに敷くからな」
その才谷本家の客間に、布団と冷感シーツとタオルケット、枕を抱えて、朗兄が乱入してきた。
「久しぶりに、寝べ。前に小坊ん時に、3人で寝たよな」
3人?
俺と朗兄と、誰がいたっけ?
『朗と直陰とお前……って書き換えた』
ジネンが補足してきたな。
つまり、朗兄と直陰だった俺の、ふたりで泊まった時の事を話せば、朗兄が3人でのエピソードにあてはめるんだな。
『そんなもんだな。だがあんまり話して無いで早く寝ろ。細切れで起きてられるのは、僕の方が困んだからな!』
勝手な言い種だな。
『あまり夜半までうるさいと、お前の眠りを深く書き換えちゃうからな。そんときに、お前の意識が永遠に起きなくなったら、すまんな。その場合、僕も身動きが出来んく成るが、幸いこれが戻ったから、さほど困らん』
ジネンがそう言って、スマホを示したが、何かデザイン変わってないか、そのスマホ?
『うん、最新機種が完成したんで、取り入れた。まだ直達が手にするのは先になるが、ついさっき開発が終わって量産計画ができたからな』
そういう仕組みで、神様の座す場所に、スマホやらノートパソコンが出現するんかい。
『そうだな。新しく出来ればドーム球場や宇宙ステーションからナノマシーンまで、何でも呼び寄せられるぞ』
いや、ドーム球場なんか、呼び寄せてどうする気なんだよ。
『出来るってだけで、呼び寄せはしない』
そうですかい。
「じゃあ、久しぶりに風呂に入るか」
朗兄が言ったわな。
久しぶり?
朗兄とは春休みに一緒に、温泉行った気がするんだが?
『いつも3人だと違和感があるんだから、それは、才谷直陰が、行ったんだって事にしてある。お前は、直陰から直柔に成ってるんだから、久しぶりの呈にして話を合わせろ』
ジネンは、また、しち面倒くさい事をしやがって。
「そ、そうだっけ?どんくらいぶりだっけ?」
探りを入れるぞ。
「小坊ぶりか?中1ぶりかな?あぁ、3年ぶりくらい?」
なんかブレブレの答えだな?
『書き換えが定着しないんだからしかたない。少しすれば、日時まで確定して、記念写真まで確定するから待て』
ジネンがまた最新機種のスマホをいじりだした。