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第6章「男女二人」

はい!どうもディーです!

とある事情で二人で寝ることになった男女二組。

お互いがお互いのことを明かし、お互いがお互いを理解できるのか?

男と女。間違いが起こりそうな第6話、始まります!

「おっと、すっかり別の話題になってましたね。姫様、皆さん。そろそろ帰りましょうか。」

ハロルドのその笑みは屈託のないものだと思っていた。だが、どうやらそういうわけでもないらしい。

「?…どうされました?奏太殿。」

「いや…なんでもないよ。」

「もう夜だ。二人には引き続き、軍施設に泊まってもらいたいが…」

「昨夜のこともあるもんね…」

「では、こういうのはどうでしょう?我々が二人一組で一夜を過ごし、異変があればそれを迎撃するというのは?」

「ふむ、たしかにその方がいいかもな。」

「僕も賛成だよ。」

「うん!私も!」


普通に考えれば、僕とハロルド。姫様と小百合。しかし、僕の認識は甘かったようだ。

何故僕が、姫様と一緒に寝なければならないのだ…

「ふ、襲ってくれるなよ?」

「え、えぇ、勿論。」

そう言ってる姫様の手は少し震えていた。

「えっと…ひ」

「女王だ!」

駄目だ…取り付く島もない。

「女王様は、国の中心に居て、疲れることはありませんか?」

「ふむ、私は疲れることはないな。王とは有事の際に真っ先に命をくべる者。くべる前はただの旗。ただ、そこにいるだけでいい。そんな人間が、疲れたなどと言っていい訳がないだろう。」

体は震えていても声は綺麗に響く。それはまるで彼女の本音と建前にも見えた。

「それに、だ。それを言うなら、お前もだ、奏太。お前はいつも無数の女から好かれていたようだな。小百合から聞いたぞ。」

「じゃあ、あいつから聞きましたか?それと同時に僕達は周りからいじめられているのを。」

「…!」

「僕が周りの女子から好かれるばかりに、僕は女子から好かれているのを妬む男共から、あいつは僕との関係を妬む女から。僕らは幼馴染なだけじゃなくて、互いに傷を舐め合ってるんです。」

僕は自身への皮肉も込めて笑った。

「それは…可哀想だな。」

「…」

「お前がじゃない。小百合が、だ。あやつは、お前のことを幼馴染として、友として、お前を気にかけていた。例えそれが自分を死へ追いやるとしても。だが、あやつは幸運だった。お前がいじめられている現場に居合わせたこと。我々が侵攻を開始したこと。お前が膨大な魔力を持っていたこと。今あるこの結果は、どれかが欠如していればなし得ない結果だったのだ。あやつを救ったお前が!自分を卑下し、あやつを自分と同じと笑った!それは…あまりにも…奴が、不憫ではないか…」

「…」

あまりにも唐突だったため、僕は何も言うことができなかった。

「私は今日はもう寝る。これ以上失望させてくれるな。奏太。」

姫様は頭を壁に向け、僕から目を背けた。僕も良い気持ちはしなかったが、それでも明日のために寝ることにした。


しばらくすると、兵士達が何やら騒いでいる声が聞こえた。

「姫様!姫様!起きておられますか?緊急事態です!リザードマンが軍施設に蔓延しております!脱出をお急ぎください!」

その声には聞き覚えがあった。あの時、僕の力を試すために戦わされた老練の戦士、たしか、名前は…ガイダンだ。しかし、姫様はまだ寝ている。ここは僕が出るしかない。

「姫様はまだ寝ています。ここには僕がいるので、安心して別のエリアへ向かってください!剣もあるのである程度は持ちこたえられます!」

「ある程度では駄目だ!君のような少年が剣を持ち、姫様を一人で守るよりも、私が居た方が安全だ!」

たしかにその通りだ。今、僕と同じ部屋には姫様がいる。余所者が守るよりも、身内が守る方が圧倒的な安心感がある。

「いや、心配ないぞ。ガイダン。」

声のする方を見るとそこにはエレナ・リパイド・エクソシスティーが起きて立っていた。

「ガイダンよ。私はもう起きている。状況を知らせい!」

「はっ!リザードマンが軍施設内にて蔓延しており、我々軍内部にいた兵士達で応戦しておりますが、応援が来るまで持ちこたえられるか分かりませぬ。姫様、どうか脱出を!」

「ふ、ならぬ。ならぬぞガイダン。奏太よ!この国の女王としてお前に命じる!ガイダンと共にリザードマンを駆逐せよ!」

「え、あ、はい!」

「姫様!御身はこの国を形成する中でなくてはならないもの!せめて、守りをおつけください!」

「いらぬ!それにリザードマンであれば魔法でも倒せるだろう。ガイダン!奏太!早く行け!」

ドアを蹴破って廊下に出る。そこには人のようなトカゲが兵士から奪ったであろう槍を携えている奴もいる。

「あの、魔法って、ただ念じるだけで使えるんですよね?」

「それは、強い魔力を持つ者のみだ。基本的には詠唱がいる。尤も、兵士達は光弾だけは詠唱無しでも使えるように訓練するが。」

「なるほど!因みに召喚系の魔法はありますか?」

「その詠唱内容は失われたが、召喚は可能だ。例えば、そこにいるリザードマンとか、ヴァンパイアのような怪人でさえ召喚できる。ただし、先程言ったように詠唱内容が失われたせいで力は大分弱まるが…」

「いえ、十分です!ヴァンパイアも召喚できるんですか…なら、それにしましょう!」

僕はゴルグ製のなまくらにイメージを流し込んだ。

「な!魔方陣が!」

何かが魔方陣と呼ばれるものの中から出てくる。

自分で召喚しておきながら、思わずつばを飲み込む。

「は~い!召喚されちゃいました~サキュバスです!」

「ガイダンさん、戻す時はどうするんですか?」

「無駄だ。ヴァンパイアやサキュバスのような知性を持つ者を召喚したら、その時点で契約が成立してしまう。諦めよ。」

「安心してくださ~い!ワタクシ、サキュバスとヴァンパイアの混血なので。さ~!お仕事お仕事♪」

コウモリ達が何処からともなくやってくる。

「さ~!ワタクシの超必殺技をお喰らいくださいませ♪いざ必殺!流星蝙蝠(メテオズヴァンパイア)!」

コウモリがリザードマンに向かって特攻する。それを喰らったリザードマンはもれなく灰と化す。

「さ~!この調子でいきますよ~!なお、報酬は忘れないでくださいまし、契約者様♪」

如何でしたでしょうか?

今回は今までの内容より少し薄かったと思います。すみません笑

今回の分はいつか埋め合わせするので許してください!なんでもしますから!

さて、話の内容に戻りますが、サキュバスの報酬ってなんでしょうね?

では、また来週♪

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