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第5章「前大戦」

はい!どうもディーです!

過去の英雄達の話が姫様の口からこの国の歴史が聞かされる。

英雄達とハロルド、姫様の繋がりとは…?

第5章。始まります!

「まぁ、この議題は城にお戻りになられてからでもいいでしょう。」

ハロルドは、予想外の事態のせいか緊張しているようだ。その証拠に手に汗が滲んでいる。

「城ほどではないが、あの軍施設もなかなかの警備だ。忍び込めるとすれば…そうだな…前大戦の英雄の一人。レイカ、またはその才能を色濃く受け継いだ弟子だろうな。」

恐らく、かなり大事な話をしているのだろう。だが、僕と小百合には分からない。そのレイカとは何者なのだろうか。

いや、関わらない方が吉と見た。

忍び込めるということは大戦という凄い戦いに巻き込まれても五体満足で帰ってきたということだ。そんなヤバい人間を僕がどうにかできるわけがない。

「時に奏太よ。その携えている剣は…」

「先せ…ゴルグの打ったものらしいです。」

「そうか…ゴルグがな…」

「あの人は街で鍛治屋をしているそうです。」

「そうか…」

「姫様。僕からもひとつよろしいですか?」

「姫様と…いや、いいか。申せ奏太。」

「僕はその前大戦というのはあまりわからないのですが、その英雄と言われている方を何故こちらへ招き入れないのでしょうか。」

ハロルドも姫様も黙った。これは失言だったか…?

「いいか奏太よ。まず、前大戦には私のお母様の説明がいる。私のお母様、メアリー・アル・エクソシスティーの…」

「姫様。それは私が済ませております。」

「どうせ、表現を柔らかくしたり、肝心なところは教えていないのだろう?」

これにハロルドは口をつぐんだ。

「母は、父が死んだ後に当時83%を侵略していた我が国を出て、まだ敗戦していない国をかけ集め、勢力を結集した。その名前は『星雲同盟国』。その連合国は母と母に付いていった従者達の技術。それを扱う星雲同盟の技量。これは、我々は勝てないと思った。しかし、とある孤児院出身の三人が我々を救った。それがカイト、レイカ、ゴルグだった。ある日、三人のいた孤児院は星雲同盟のフライヤーが墜落した。しかも、その日は孤児院出身の者を牧師が集め、パーティーをしていた真っ最中だった。当然、三人も行く予定だった。因みに、孤児院出身のものは基本的には軍に入ることになっていてな。カイトは騎士。ゴルグは刀工。レイカは隠密。まぁ、全員見習いだったがな。しかし、全員孤児院出身者が軍に入るということに納得がいかなくてな、しかも、牧師が開くパーティーにその三人は軍の用事で遅刻をしてしまった。仕事を片付けいざ孤児院に行くと、そこには孤児院だったものと墜落したフライヤーがあった。だが、三人にとっては好都合だった。なんせ、三人は軍と孤児院の在り方に疑問がある。ゴルグが整備、カイトが武装取り付け、レイカが見張りという完璧なチームワークでそのごなんとかフライヤーを四人乗りへと改造し、荷物も運べ、武装もついた彼らの旗印、爆発号が完成した。」

ゴルグは本当に凄い人間のようだ。そして、その爆発号は完全に自動車+αなイメージがする。そして、なんとセンスのない名前だろう。

「彼ら三人は、軍を脱走した身であったため、基本的には我が国の植民地内で星雲同盟を、時には自分達の実力で、時には爆発号を使って星雲同盟を撃退した。因みに、爆発号にある武装は魔術で形成した光弾を放つもののため、人には使っても勝てんからな。」

そういえば、生命あるものは光弾が基本的には効かないんだった。つまり、生命のない『物』を破壊することしかできないわけか。

「その後も彼らは抜群の連携で、星雲同盟の所属国を潰して回ったのだ。たった三人で。活躍を聞いた重臣達は彼らを迎え入れた。私を、王を守る騎士として招き入れるために。カイト達には今までの功績を称えるために新たに名を与えた。カイトは『カイト・アクト・アルター』という名前を。」

「アルター…どこかで聞いた気が…」

「はい。私、ハロルドの父。それがカイト・アクト・アルターです。」

そう言うハロルドの声はとても重く、表情は険しいものだった。

「カイトはな。恋人がいたんだ。名はユリナ。カイト達の孤児院の元シスターであり、ハロルドの母だ。ユリナはフライヤーの墜落の時には買い出しに出ていたため、無事だったのだ。因みに、その当時、ユリナには5歳になるハロルドがいた。ユリナに買い出しに行かせたのは、シスターである彼女の子供であるハロルドの誕生日を祝うためだということがわずかに残った痕跡からわかった。」

「そういえば、さっきから牧師とかシスターとか出てきましたが、やはりこの国にも宗教のようなものはあるんですか?」

小百合もやはり僕の質問に気になったらしく、私もそれ気になると同調した。

「ふぅむ。宗教ときたか…我が国には決まった宗教はない。一応、神という概念はあるにはあるが、我々の神の概念は『神とは生命を作りしもの。人に知能を与えたもの。人の運命は人の行動が生み出すもの。』基本的にはこの3つだからな。つまり、我々は神に感謝の祈りは捧げるが、神に自分を捧げない。神がいるのなら、神は人がわがままに生きることを容認してくれたものという考え方だ。だから、他世界にもあった聖職者は恋愛、結婚、妊娠をしてはならないというものは、神のためではなく、孤児院で子供と暮らすのが困難になるからというものであって、むしろ新たな命が芽吹くものは祝福される。だから、追放もしない。」

その神と宗教の在り方は素晴らしい。過度な信仰はされないからだ。それなら、誰も犠牲にならない…

「話がそれてしまったな。ゴルグには『ゴルグ・アルク・ハルクエル』という名が与えられた。もっとも、後に奴はこの名を捨てたがな。だが、レイカは新たな名を受け取らなかった。カイトとゴルグはこの国に守りたい人間がいて、これからも守りたいと思うがために騎士の資格を受けた。だが、レイカは次にこの国の仕組みに立ち向かう人間が生まれれば、それの助けをするのに、王の従属でいることというのは邪魔になる。自分が愛すものは己が己の力で切り開こうとする人間だとな。それを重臣達の前で言い放ち、城内より消えた。その後もカイト達と旅はしたようだがな。そして、星雲同盟と戦うこと2年。カイトは星雲同盟に技術と情報を売り渡した女王メアリーの討ち取った。カイトはその報告を当時の我が国の王に話し、騎士の地位の下、平和に暮らした。そして、我が国による世界の統治がまた始まり、一応の平和は取り戻した。だが…」

すると、ハロルドが姫様の前に手を出し

「姫様、ここからは私が。」

と遮った。

「今まで姫様の話に一切出てこなかった人物がいます。前王と上級貴族出身の側室の子であり、並外れた魔力を持った本来この国を統治するはずだった人物。姫様、エレナ・リパイド・エクソシスティーの兄、『タクス・ウクツ・エクソシスティー』。歴代最強の王とさえ謳われた王です。因みに、女王メアリーは下級貴族の出身です。上級と下級と聞くと差別があるように見えますが、特に扱いに差があるというわけでもなく、こなす業務の立場が上級の方が上というだけなのであしからず。そして、大戦後の話へ戻りますが、平和から4年。突如、星雲同盟は復活し、我が国へまた戦争を仕掛けてきました。前大戦の英雄の彼らは今までの経験から卓越した能力と技術をもつようになりましたが、星雲同盟には及ばず、国へ撤退しました。それからまた2年。奮闘の甲斐もなく、タクス王は苦肉の策として、自身の身を犠牲にして、再度転移を試みました。転移するまでの期間は3年に渡り、その間に姫様が王になり、カイトはかつての仲間のゴルグの術の贄に。私もその時に騎士になりましたね。」

これが、この空中王国の歴史。王の犠牲の歴史なのか。つまり、彼らは異世界難民とも言える。そして、いきなりこちらの世界に手を出してきた。それでも、僕はこの国に魅入られた。この国は素晴らしい。人を殺した人間でも、悪意を感じなければ情によって許され、逆に僕達の世界でいう犯罪に接していなくても悪意をもって人を陥れたら、報復がある。だから、悪意を持てない。持とうとしない。そして、なんとも言えない温かさがある。僕に守れる力があるなら、この国の人達を守りたい。いや、それ以上に、僕は僕達の住んでいたあの世界に復讐したい。夢を押し付けた親も。群がってくる女共も。嫉妬して、苛めてくる男共も。なにもしない、ただ見てるだけの奴らも。皆全てに等しく絶望を与えたい。今まで僕は自分のこの思いを(よこしま)、悪の感情と自己嫌悪してきた。だが、そうじゃないんだ。自分がこう思うのは自分の責任でも、相手の責任でもない。でも、受験生とはいえ、中学生の僕には今のこの在り方につける名前が思い付かなかった。


「ここか」

俺とレイカ、そして、レイカの弟子のサクラは国の森に来た。

キシャァァァァァァ!

この世の獣ではない鳴き声がする。

「リザードマンか。数は…ざっと200か…今回は少々発見が遅れたみたい。」

「構わねぇだろ?俺と、お前がいるなら。」

「あら、ごめんなさい。愛の告白はカイ君からフラれて以来受けないようにしてるのよ。ごめんなさいねー。」

「レイカ様。お供します。」

「いえ、私とこの脳筋がいれば楽勝よ。」

「そういう…こった!」

俺が突っ込み、レイカが持ち前の身体能力で俺が余したリザードマンを的確に仕留める。あの時、カイトを行かせた時もこの戦術だった。サクラは俺らの技量に目を奪われているのか呆然としている。

「つまらなぇな!おぉい!」

目で見た感じ、後60数体。40体…20体…15体…5体…1体…

「「これで…終わりだ!」」

俺とレイカの台詞が合わさる。圧倒的なオーバーキルで最後の1体は一瞬、自分が死んだと気付かなかったように反撃しようとした。だが、その手は途中で止まり、体のバランスが崩れる。

「レイカ様、こちらも封印に成功しました。」

「あら、ご苦労様。」

「いえ、レイカ様もお疲れ様です。」

「おいおい、俺にはねぇのかよ。」

「あら、私と違って、ただ暴れただけでしょう。そんな人間に労いの言葉は無用よ。」

「それでは、私は他の所に展開されていないか確認してきます。」

「おう!それ俺も行っていいか?」

「あら。ナンパ?」

「ちげーよBBA!」

「あぁん?」

「そ、それでは参りましょうかゴルグ殿。」

「あぁ」

如何でしたでしょうか。

カイトは今何処へいるのでしょう?

そういえば、近々、学生はテストがありますね。

頑張ってください!

追伸:来週は諸事情により投稿できないかもしれません。

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