第14章「敗北(前編)」
はい!どうもディーです!
タイトル通りに敗北した奏太。サクラはどうなる?そして、忘れられていたあのキャラは?
第14章、始まります!
「これが…これがお前の答えかよ!カイトォォォ!」
俺は天に向かって叫んだ。空には満天の星が煌めいていた。星というのは本当にどこでも変わらない。先程までの憤りが失せ、俺は少々落ち着いた。そして、それと同時に忘れていた。
「かはっ!」
奏太が血反吐を吐き、こっちを見ている。
「待ってろ。今、助けにいく。」
俺は奏太を担ぎ、医務室へ向かった。
「………!」
ここは…何処だろう?
綺麗な白い壁に人影が2つ…
その内の1つがこちらへ向かってくる…
「…た、…うた、…」
「奏太!」
「…あれ…ここは…」
「医務室だ。ゴルグがここまで運んで来てくれた。」
ゴルグが… …!思い出した!
「そうだ!ゴルグさんは!?」
叫んだ声の衝撃で傷が痛む。僕は思わず手を胸に当てた。
「野郎がその程度の傷で騒ぐんじゃねぇよ。」
「あの、ありがとうございました。」
「いいって…気にすんな。」
「あの、ゴルグさん…それで…」
「あぁ、奴のことだろ?任せろ。姫さんよ、ちょいと席を外しちゃくれねぇか?」
「む?奴のこととはなんだ?」
姫様は首を傾げ聞いてくる。
「あー、あれだ。こいつのコレの話よ。」
そう言ってゴルグは小指を立てる。
「?小百合ならば、ハロルドと共に城にいるが…」
「ちげーよ、あの嬢ちゃんのことじゃねぇ、ベ・ツ・ク・チだ。」
「な!…もう二人目の側室か…」
「え、ちょっ…」
反論しようとする僕の口をゴルグはもう片方の手で押さえつける。
「それで!相手は…相手は誰なのだ!」
姫様の言葉の後に医務室のドアが開く。
「こちらにいらしたのですか女王。む、ゴルグと…その方は…」
謎の女を見つけ、ゴルグの目が煌めいた。
「おいおい、何処に行ってたんだよサクラ~。」
「?合流の合図など何も…」
「姫さんよ。こいつがそいつのコレだ。」
「な…!」
「え…」
「?」
「頼む、口を合わせてくれ…!」
「分かりました。女王。その者は私のコレです。」
そう言ってサクラと名乗る女は親指を立てた。
「ふ、ふむ、まぁよい。では私はしばらく席を離れるとしよう。」
そう言って姫様は医務室から出ていった。
「…さて…どういうことか聞かせていただけないでしょうか?ゴルグ殿。」
サクラの目は厳しくなる。
「お前をダシにした件については後でレイカも踏まえて、じっくり説明してやる。まずは…」
そう言ってゴルグは僕に目を向けた。
「いいか、今日、最後に見た奴に関しては何も言うな。」
「雄叫びは聞こえました。あの人がカイトなんですか?」
「…!」
サクラの目が鋭くなった。
「貴方は!友人1人庇うために、私をこの人の側室の1人に仕立てたのですか!」
「ただの1人だったら、ちゃんと正直に姫さんに話すさ。だが、そうもいかない。いいか、あいつはこの国の英雄の1人として、名を残した。そんな奴が裏切ったなんて、姫さんに知られてみろ?大臣達が大騒ぎした挙げ句、民にも知れ渡って、国が混乱するぞ!」
そんな、厳かな雰囲気の医務室に、騒がしい奴がドアを開けてきた。
「ご主人サマァ~!」
そう、クレェだ。
「酷いでございますぅ~私を1人にするなんて!お陰で魔力すっからかんですよ~!」
うるさい。不思議とその感想しか言えなかった。
「さて、そんなわけで~?魔力供給タァ~イム!」
あぁっ…そんな諦めと共に僕の視界の中からは医務室は消え去った。
如何でしたでしょうか?
個人的に、気になるのですが、女は小指で合っているのでしょうが、男って親指で合ってましたっけ?ちょっと、情報が不確かなんですよね~
さて、そろそろ私はリアルの方で忙しくなる予定なので、少々投稿が滞るかもしれません(具体的に言うと3週間)もし、投稿できなくても多目に見てくださいな笑