表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・ワールド】への挑戦!
94/198

書き割り

 最後に二郎と、ゲルダ少佐が並んで出現した。

 二郎はタバサを見て、呆れたような顔つきになった。


「やれやれ、あれほど考えるよう忠告したんだが、まるで無視かね? これだから、初心者は怖い……」


 タバサは、かっとなって二郎に食って掛かる。

「ここが【ロスト・ワールド】なの? 全然、そうは見えないけど。それに、あたしは子供じゃないのよ。自分がしたことくらい、判っています!」


 二郎は冷静に頷いた。

「ああ、間違いなくここは【ロスト・ワールド】だ。自分がしたことを判っていると言い張るのなら、それでいい」


 冷ややかといっていい二郎の口調に、タバサの激昂は、しおしおと萎んでしまう。


「全然、危険でも何でもないように見えるわね……」


 呟きながら、手近の住宅に近づく。二郎は素早くタバサの腕を掴み、引き寄せた。


「危ないっ! 自分のしていることが、判っているのか?」


「え?」とタバサは二郎を振り返る。二郎の顔は真剣であった。

 一つ頷くと、二郎は「見ていろ!」と叫び、いきなり立ち並ぶ住宅の塀に蹴りを入れる。


 ばたん!


 二郎の蹴りが入ったブロック塀は、まるで芝居の書き割りの安物大道具のごとく、呆気なく倒れこむ。


 ぱた、ぱたん、ぱたぱたぱたっ!


 塀が倒れこんだ住宅も、ドミノ倒しの要領で、次々に倒れていく。それは、まったく書き割りの平面的な形だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ