表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
【ロスト・ワールド】への挑戦!
91/198

看板

 ぞろぞろと、全員がカルガモの親子状態になって、町を歩き出す。

 玄之丞が二郎にせかせかと追いついて、話し掛けた。


「おいおい、ところで、どうやって【ロスト・ワールド】へ吾輩たちを連れて行くのだね? まさか【ロスト・ワールド】はこっちです、なんて看板が出ている訳あるまい?」


 二郎は、ぴたりと立ち止まった。顔を上げ、指さし、涼しい顔で答える。

「ところが出ているんだな、これが」




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆ロスト・ワールド入口  ☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




 でっかく、周りにネオン・サインと電飾を散りばめた、十キロ先からでもはっきりと判る派手な看板がおっ立っている。その場にいた住民たちも、思わず立ち止まって見上げていた。


 玄之丞は、あんぐりと口を開ける。


 だけではない、二郎を除いた全員が、ぽかりと大口を開け、呆けたようになって看板を見上げていた。


「こんなもの、いつできた?」


 髪の毛をくしゃくしゃと掻き回し、玄之丞は大声を上げた。

 ぽん、と二郎のポケットから金属球が飛び出した。

 二郎の相棒、ティンカーである。


「この看板が出現したのは、正確に三分十四秒前のことです!」


 きんきんとした甲高い声に、玄之丞は目を丸くする。両腕を振り回し、二郎に食ってかかった。


「どういうことだ? 吾輩が判るように説明して貰おう!」


「【ロスト・ワールド】が本格的な活動を開始した、ということさ。いよいよシャドウの奴、あらゆる〝世界〟のプレイヤーを根こそぎ自分の〝世界〟へ引っ攫うつもりだ!」


 二郎は冷静に返事する。

 水をぶっかけられたかのごとく、玄之丞はばたんと両腕を下ろした。

 ゲルダは一歩すっと前へ出て、疑いの声を上げた。


「でも、うかうかと【ロスト・ワールド】の誘いの手に乗る馬鹿者がいるとは思えません」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ