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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
不条理三兄弟
88/198

ハープ

 タバサは驚き、思わず身を引いた。

「な、何?」


 相変わらず笑みを浮かべつつ、晴彦はコートから巨大なハープを引っ張り出した。


 タバサはびっくりした。こんなもの、どこにどうやって隠していたんだろう……。

 ああ、そうか! ここは仮想現実だった!

 きっと晴彦のコートは○○えもんのN次元ポケットと同じなんだ。


 ハープを前に、晴彦は気取った仕草で両手を構える。


 ぽろろろん……。


 晴彦の指が、ハープの弦を掻き鳴らす。意外と晴彦の腕前はプロはだしで、本格的だった。

 しばらく晴彦のハープの演奏が続き、ついタバサは、うっとりと聞き惚れてしまう。


 晴彦のコンサートが終了し、タバサは思わずぱちぱちと拍手する。晴彦は深々とお辞儀をして、ハープを元通りコートに納めた。


「へっ!」と知里夫は笑う。


 にやにや笑いを浮かべ、玄之丞は口を開く。

「こう見えても、知里夫はピアノの名手でね。晴彦のハープと、いい勝負をするよ」

「へえ……」と感心したタバサは、知里夫に声を掛けた。

「ねえ、知里夫さんも、なんかやってよ!」


 知里夫はそっぽを向き、気取った口調で返事する。


「後でな。天才は忘れた頃にやってくる……ってね!」


 玄之丞は立ち上がった。

「それでは、これより【ロスト・ワールド】に向かうとするか!」

 二郎も立ち上がった。

「いよいよ、シャドウと対決だな! 気を緩めるなよ」


 二郎の言葉に玄之丞は眉を上げて返事した。


「それとも吾輩がカモである、かもな。やれ行けや、カモが飛び込むネギ畑。向こうで、けだもの組合でも始めるか!」


 訳の判らないことを呟いて、事務所のドアを開いた。

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