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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
不条理三兄弟
87/198

時計

 その時、壁に架けられた鳩鳴き時計が時を告げた。


 ぽっぽー……と鳴り響いた途端に、それまで寝っころがっていた晴彦が、ぴょん、と一挙動で立ち上がる。


 あーあ……! と長々と伸びをした。


 玄之丞は振り返り、目を丸くした。

「なんだ、晴彦。起きたのか?」


 晴彦は「ふあああ」とばかりに口に手を当て、頷く。子供のような笑みを浮かべていた。


「おい、晴彦。この客家二郎は知っているな。これから【ロスト・ワールド】に向かうぞ! 準備しろ!」


「うん」と晴彦は頷くと、壁に架かっていた鳩鳴き時計を外して、コートの中へ捻じ込んだ。


 玄之丞は呆れた声を上げた。

「なんだ、そんなもの持って行って、どうするつもりだ?」


 晴彦は両手を合わせ、頬に当てると顔を傾け、目を閉じた。


「眠るのか?」


 玄之丞の問い掛けににっこりして、指で丸を作る。鳩鳴き時計の鳩の仕草で、口を尖がらせる。


「なーる、ほど! 目覚まし時計が必要だ、ということか!」

 玄之丞が大声を上げると「うんうん!」と何度も頷いた。


「勝手にしろ!」と玄之丞は肩を竦める。


 晴彦は、にこにことした笑みを浮かべ、タバサに近寄ると、いきなり顔を近づけた。

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