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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
不条理三兄弟
73/198

〝世界〟

 駅舎から〝門〟をくぐると【大中央駅】である。【大中央駅】には、いつものように無数のプレイヤーが、思い思いのコスチュームを纏い、銘々の目的地を目指して早足に行き交っている。


「こっちだ」


 すでに目当ての場所を目指し、二郎は大股に歩き出した。タバサと少佐は慌てて後を追う。


 目の前に聳える〝門〟を見上げ、少佐は驚きの声を上げた。少佐の声には、明らかに疑いの響きがあった。


「二郎さん、本当に、この〝世界〟でいいのですか?」


 タバサはそっと少佐に近寄り、質問する。

「何か問題でもあるの?」


 少佐の表情は苦々しい。少佐の視線を追って、タバサも〝門〟を見上げる。


 毒々しい、といっていいほどの色の氾濫であった。黄色、青、赤の三原色がペンキでぶちまけられたように塗りたくられた〝門〟には、犬、猫、その他色々な動物のキャラクターが嵌めこまれている。


 どのキャラクターも、大幅なデフォルメが施され、陽気そうな笑いを浮かべている。まるで遊園地の入口に見える。


「ここは何ていう〝世界〟なの?」

 タバサの質問に、少佐はさも厭そうに答える。


「【スラップ・スティック・タウン】! 又の名を【ドタバタ・ワールド】という。──(差別用語で発音できない)の町だ!」


 少佐の口調は、吐き捨てるようだった。

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