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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
シャドウ登場!
54/198

野望

 二郎は冷静な口調で答える。


「お前の姿は、おれが最初に作った分身だ。あの頃は、おれも若かったな。そんな姿が格好いいと思っていたからな。今では、つくづく後悔しているよ」


 シャドウの顔に、きりきりと怒りの皺が刻まれた。


「馬鹿にしやがって! もともとは、お前のせいではないか! おれがシャドウになったのも【ロスト・ワールド】が誕生したのも! 勝手な御託を抜かすな!」


 二郎は憂い顔になった。


「そうだ。総ては、おれの間違いでおきた! 間違いは正さねばならない……」


 シャドウは嘲るように笑った。


「どうするというのだ? おれは知っているぞ。お前は【ロスト・ワールド】に何度か侵入を図っていたな。

 もっとも、侵入した途端、ほうほうの態で逃げ帰っているが。多分、お前は【パンドラ】の修正をするつもりなんだろうが、無駄なことだ。おれは、十年前のお前のままではない。この十年、おれは着実に進化している。【パンドラ】も同じだ! お前の手に負えるレベルの代物ではない!」


 二郎は、ひた、とシャドウに目を据えながら詰問する。


「これから、何を仕出かすつもりだ? 進化したと言う【パンドラ】と、お前は」


 ぐっとシャドウは背をそびやかす。見る見るシャドウの全身が膨れ上がる。


 いや、実際に巨大化している。背が、肩幅が、両足がぐんぐんと膨れ上がり、ついには頭が天井に届かんばかりになった。


「全〝世界〟の征服だ……! 手始めは【蒸汽帝国】!」


 シャドウの声は、ごろごろと石の車輪が転がるときのような響きを帯びていた。

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