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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
衝撃!【ロスト・ワールド】の侵略
50/198

暗転

 舞台は再びエミリー一人になり、独唱になった。


 微かに顔を挙げ、どこか遠くを見つめるエミリーには荘厳といっていい神秘的な表情が浮かんでいた。エミリーの身体を包むようにして、白い蒸汽が盛んに噴き出している。


 ふと、隣の二郎の様子がタバサは気になった。タバサと同じく、舞台に夢中になっているのかと思ったが、その視線はエミリーに向けられてはいない。どこか、違う方向を見ている。


「どうしたの?」


 小声で囁くと、二郎は微かに首を傾げる。

「妙だ……演出が変わったのかな? あんなに蒸汽を出す場面じゃないのに……」

 二郎も小声で囁き返した。タバサは、ちょっと驚いた。


「前にも……って、あんた以前にもこれを見たことあるの?」


 二郎はタバサに顔を向け、にやりと笑った。

「まあな。おれは、仮想現実で行われている総てのことには興味があるんだ」


 もくもくと白い蒸汽が盛大に噴き出し、ついには舞台全体を覆ってしまった。歌っているエミリーの姿も、ほとんど見えなくなる。二郎が明らかに緊張した様子で身を乗り出す。


「どうやら始まったらしい……!」



 じわり……と白い蒸汽の中から、黒い影が姿を表した。




 姿を表したのは、巨大な扇風機であった!

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