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電脳ロスト・ワールド  作者: 万卜人
電脳歌劇の夕べ
32/198

鳥打帽

 正面前では実用的な軍服を身に着けた衛兵たちが、強張った顔つきで何か耳打ちしたり、命令を受けたりして右往左往している。


 ぼんやりしていたタバサの顔に、影が差した。


「お一人ですか? お嬢さん」

 柔らかな口調に、タバサは「はっ」と我に返って顔を上げた。目の前に見知らぬ男が立っている。男は夕日を背中に受け、黒々としたシルエットになっていた。タバサは目を眇めた。


 灰色の地味なインバネス、鳥打帽、口元には濃い黒髭を生やし、目の表情を覆い隠す、黒いサングラスを掛けていた。


「いいえ、人を待っていますのよ!」


 タバサはぷい、と横を向いた。どう見ても、怪しい!

 いかにも自分は「曲者です」と看板をしょっているような、怪しい出立ちである。


「そうですか、残念ですね。この近くに、とても美味しい食事を出すレストランがあるのですが、よろしかったら……」

「しつこいわね!」


 腹が立って、タバサは叫ぶ。


 と、男の被っている鳥打帽に目が止まる。

 電脳盗賊の紋章が夕日を受け、煌いた。


「あんた……」


 男は口髭を毟り取り、サングラスを外した。

「ばあっ! おれだ!」


 客家二郎の顔が現れた。

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